掃除魚もいれば掃除魚の真似をする詐欺師のような魚もいるの?

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★科学★
問題:掃除魚という不思議な習性を持つ魚がいます。他の魚の体表にとりついた寄生虫、あるいは身体の組織の死んだ部分、あるいは歯の間にはさまった食べ物のカスなどを食べて歩くそうです。体表にとりついたカビ、バクテリアの塊りなども取り去ってくれるらしい。怪我をした魚の傷口も嫌がらずに清掃したりするそうです。
■当然ではありますが、掃除魚たちは、趣味や奉仕のためにやっているわけではありません。餌を得ているらしい。つまり、掃除魚と顧客の魚たちは、共生の関係になっているようです。
■掃除魚は、なんらかの形で自分が掃除魚であることを周囲に伝えるそうです。たとえば、掃除魚の代表ともいわれるホンソメワケベラという魚は、「頭を斜めに下げ、波打つような軌道」の独特の泳ぎ方をするとのこと*1。この動きを見た潜水顧客、失礼、潜在顧客は、「おっ、掃除魚がいるな」と気がつくらしい。寄生虫や皮膚病で困っている場合には、掃除魚に近づいていくようです。
■口の中を掃除する際には、大きな魚は口を大きく開き、掃除魚が中にもぐりこんで作業します。命がけなんですね。
■余談です。似たような危険な作業をする鳥がいると伝えられています。ナイルワニの口の中に入り込んで食べ物のカスを掃除するナイルチドリという鳥は、その1例とされているそうです。連中は、ふだんよくワニの背中に乗っているらしい。でも、Wikipediaの記述によると、ナイルチドリがワニの口で危険な作業をするというお話は、科学的に証明されていないらしい。いまのところ、信頼に足る観察記録はないようです。単なる言い伝えかもと疑われているそうです*6。
■本日は、他の魚の身体の清潔と健康を保ちつつ、自分も餌を得るという掃除魚についての雑学クイズです。次のうち正しい記述はどれでしょうか?
[い]ときどきは、掃除される側の大きな魚に掃除魚が食べられてしまうこともある
[ろ]掃除魚は、数種類が知られているだけであり、水中生物では魚類に限られている
[は]掃除魚であるホンソメワケベラを飼うときには、飼い主の手に糊状の餌を塗り、水槽の中に手を突っ込む。ホンソメワケベラは手についた餌を口でついばむ。
[に]ホンソメワケベラは2匹以上で競争させるとより真面目に仕事をする
[ほ]掃除魚の真似をして餌を得る詐欺師のような魚がいる
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[に]が正しい
説明:[い]ときどきは、掃除される側の大きな魚に掃除魚が食べられてしまうこともある(×)
■事故が皆無であるという保証はありません。でも、大きな魚たちも意識して掃除魚を食べてしまうことはないらしい。
□「岩礁地帯に棲む魚の数は、そこに棲む医魚(掃除魚のこと)の数によって決まっているということがわかっている」と参考資料*4には書かれていました。これがホントなら、大型魚が掃除魚を食べしまうと、あたりに住める魚の数が減り、自身の食生活にも悪影響が出てくる可能性があります。そんな事情もあって、掃除魚は捕食されないで済んでいるのかな。
[ろ]掃除魚は、数種類が知られているだけであり、水中生物では魚類に限られている(×)
■掃除魚は、ホンソメワケベラ、ウシツツキ、シクリッド、ナマズ、ハゼの仲間など、淡水魚も含めて少なからぬ種類が知られているらしい。また、ペダーソンエビやカリフォルニア清掃エビなどというヒゲを生やして腰の曲がった清掃業者もいるとのこと。
□海の中も生存共存は厳しい。その中で「捕食されない」という特典のついたライフスタイルは魅力があるのでしょうね。
[は]掃除魚であるホンソメワケベラを飼うときには、飼い主の手に糊状の餌を塗り、水槽の中に手を突っ込む。ホンソメワケベラは手についた餌を口でついばむ。(×)
■ホンソメワケベラは、ほとんどの栄養を掃除から得ているらしい。飼育しようとしても、充分な餌が得られずに死んでしまうことが多いそうです。ホンソメワケベラを飼うなら、連中の清掃業者としての商圏をまるごと飼育しなければならないのかもしれません。
[に]ホンソメワケベラは2匹で競争させるとより真面目に仕事をする(○)
■ホンソメワケベラは、寄生虫も食べてくれますが、体表についた粘液や鱗(うろこ)など、残しておいてほしいものまで食べてしまうことがあるようです。それでも顧客側は我慢しているらしい。
□単独で作業する場合にくらべ、2匹で清掃作業をしている場合には、寄生虫をとる率があがり、残してほしいものをついばむ率が減るらしい。つまり、真面目に仕事をするようです*5。
[ほ]掃除魚の真似をして餌を得る詐欺師のような魚がいる(△)
■イソギンポ科の一種ニセクロスジギンポは、ホンソメワケベラに似た行動をとるらしい。ホンソメワケベラのような泳ぎかたをして顧客に近づき、健康な皮膚や鱗をかじって逃げるそうです。ただし、参考資料*3によれば、本物と偽者の泳ぎかたには大きな差があり、人間ならば簡単に見分けられるらしいのですが。
□この詐欺のような行動は飼育されている状況で観察できるものらしい。本来、ニセクロスジギンポの餌は、魚卵あるいはゴカイ類だそうです。ニセクロスジギンポが水槽内で掃除魚まがいの行動をとるのは、「単に捕食を逃れるため」という意見もあるようです*1*3。
◆参考*1:HP「掃除魚 Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%83%E9%99%A4%E9%AD%9A
◇*2HP「ホンソメワケベラ Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%A1%E3%83%AF%E3%82%B1%E3%83%99%E3%83%A9
◇*3HP「ニセクロスジギンポ Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%BB%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%82%B8%E3%82%AE%E3%83%B3%E3%83%9D
◇*4書籍「生物の雑学事典」初版136~138頁、大宮信光著、日本実業出版社
◇*5:雑誌「魚の損得勘定」ニュートン0902月号7頁、編集部、ニュートンプレス
◇*6HP「ナイルチドリ Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%89%E3%83%AA

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