空気入りタイヤを最初に実用化したのはダンロップ? それともミシュラン?

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★歴史★
問題:今日4月8日は、日本自動車タイヤ協会が制定するタイヤの日だそうです。
■なぜ今日なのか。4月は春の全国交通安全運動が行なわれる月だからだそうです。たしかに多くのタイヤが血に染まり、多くの人々の生命が奪われています。交通事故の死者は減少傾向にあるとはいえ、2008年も5000人を超えました。
■包丁に罪はなく、人ごみで振り回す者に罪があります。ライターに罪はなく、火を放つ者に罪があります。同様にタイヤには罪がなく、不注意な運転者に罪があります。かといって関係者としては開き直るわけにも行きません。多くの悲劇にまるで無関係というわけでもありません。犠牲者の鎮魂の意味をもこめて4月に制定している…と勝手に推測します。
■「8」のほうは、タイヤを積み重ねた形を連想させることから来ているそうです。ホントは「0」日にしたかったけど、4月0日はないし、1日じゃ本気にしてもらえないし、しょうがないので8日にした…と勝手に推測します。
■本日は、タイヤの日にちなみまして、タイヤの歴史にまつわる雑学クイズです。次のうち正しい記述はどれでしょうか?
[い]鉄の輪をはめた車輪はローマ人によって作られ、その後1000年も使われた
[ろ]ゴムのタイヤが最初に使われたのは明治時代に入ってのことだった
[は]明治28(1895)年に空気を入れたタイヤで一般道レースに出場したミシュラン兄弟は圧倒的な速度と安定性で優勝した
[に]19世紀のタイヤは黒色のものは少なかった
[ほ]市販タイヤのトレッドパターン(溝の模様)の最終決定権は技術者ではなく営業担当者にあるのが一般である
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[に]と[ほ]が正しい
説明:[い]鉄の輪をはめた車輪はローマ人人によって作られ、その後1000年も使われた(×)
■正しくは、「…ケルト人によって作られ、その後1900年も使われた」だそうです。ケルト人は、そもそもは中央アジアにいたようです。早い時期に西に移動し、ヨーロッパの先住民族となったらしい。現在はスコットランドやアイルランド、フランスのブルターニュ地方に残っているとのこと。
□余談です。サッカーの中村俊輔選手が所属するセルティック(Celtic FC)というチーム名は、「ケルト人の」という意味があると聞きます。バスケットボールのNBAにはボストン・セルティックスという古豪がいるらしい。こちらも綴りは「Celtics」だそうです。
□現在のフランス・ベルギーの全土、ドイツ・オランダ・イタリアの一部のケルト人地域はガリアと呼ばれていたらしい。シーザーに征服されたとのこと。「ガリア戦記」のネタ元になった戦いのようです。
□ゴムのタイヤの登場は19世紀とのこと。車輪の周囲に鉄を巻く発明の寿命は1900年ほどでした。つまり紀元前ちょっと前、シーザー(紀元前100年ごろ~紀元前44年)と同時代に発明されたようです。
[ろ]ゴムのタイヤが最初に使われたのは、日本でいえば明治時代に入ってのことだった(×)
■正しくは、「…日本でいえば幕末だった」だそうです。19世紀前半にチャールズ・グッドイヤーという人物が、「ゴムに硫黄をまぜると性質が変わる」ことを発見します。引っ張り強さが大きくなり、溶剤に対して溶けにくくなり、膨張しにくくなります。それまではボールやケシゴムなどに使われていたゴムです。ホースやチューブ、タイヤへと用途が広がりました*2。
□ただし、初期のタイヤはソリッドタイヤと呼ばれるもので、太いゴムの輪を車輪の外周に取り付けただけのものだったそうです。長く走ると熱でゴムが焼け、煙があがるという代物だったたらしい。
[は]明治28(1895)年に空気を入れたタイヤで一般道レースに出場したミシュラン兄弟は圧倒的な速度と安定性で優勝した(×)
■正しくは、「時間制限内に完走できずに失格した」だそうです。パリ⇔ボルドー間往復の耐久レースに出走したらしい。パンクが多発したため、タイムオーバーになってしまったようです。でも、短時間ながら61km/hのスピードも記録したらしい。この速度は、優勝者の平均時速の2.5倍ほどだったとのこと。驚異的です。
□翌年にパリ・マルセイユ間で往復レースが行なわれたらしい。このレースの出走車は大部分が空気入りタイヤを装着していたとのこと。
□これより前の明治21(1888)年。イギリスの獣医ダンロップ氏は、空気入りタイヤを息子の自転車用として作ったそうです。見かけは不恰好だったようですが、空気入りタイヤ実用化の第一歩らしい。
□なお、空気入りタイヤの特許は、イギリスのR.W.トムソンという人物が弘化2(1845)年に取得しているそうです。特許の有効期限内には実用化できなかったようですね。
[に]19世紀のタイヤは黒色のものは少なかった(○)
■19世紀、あるいは20世紀初頭のクラシックカーの模型でタイヤが黒かったら、それは製作者の無知の証拠になるのかもしれません。タイヤが黒くなったのは、大正元(1912)年よりもあとの話らしい。この年にゴムの添加剤としてカーボンブラックと呼ばれる物質が使われました。印刷用のインクとしても使われていた物質とのこと。この発明でゴムの強度や耐摩耗性が向上したそうです。耐久性は従来の3~4倍になったとのこと。
[ほ]市販タイヤのトレッドパターン(溝の模様)の最終決定権は技術者ではなく営業担当者にあるのが一般である(○)
■タイヤの溝にはふたつの機能が求められるとのこと。加速と停止のための摩擦、いわゆるグリップを生みだすことがひとつ。もうひとつは、滑らないように路面の水を排除することだそうです。雨のときに時速100kmで走るクルマは毎秒5L(リットル)の水を掃きだしているとのこと。
□参考資料*3では、トレッドパターンはマーケティング部門が決定するという意味のことを複数の人が証言しています。技術者が設計したパターンについて営業担当者たちは、「色気が足りない」とか「男らしさに欠ける」とケチをつけて没にするらしい。性能が一定の水準に達していればあとは見栄えで売れるということなのかな。
◆参考*1:HP「タイヤの歴史」
http://www.ryomomaruzen.co.jp/tire07.htm
◇*2HP「ゴムの活用範囲を広げた発明家は?」
http://blog.q-q.jp/200511/article_48.html
◇*3:書籍「実証超科学講座」初版220~221頁、ニュー・サイエンティスト編集部編、ISBN978-4-576-07161-9、二見書房

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  • タイヤガーデン

    Excerpt: 空気入りタイヤを最初に実用化したのはダンロップ? それともミシュラン? ●●●●●★歴史★●問題:今日4月8日は、日本自動車タイヤ協会が制定するタイヤの日だそうです。■なぜ今日なのか。4月は春の.. Weblog: ザ・トレンド racked: 2009-04-08 22:09
  • つるつるの坊主みたいになったタイヤのほうがブレーキはききやすいの?

    Excerpt: ●●●●★科学★●● 問題:一般に、自転車にせよ、オートバイにせよ、自動車にせよ、タイヤには溝が刻んであります。トレッドと呼ばれるらしい。 ■溝のあるタイヤとないタイヤを比べた場合、どちらがブレー.. Weblog: 町人思案橋・クイズ集 racked: 2013-01-25 09:45