皮下脂肪が何cmあったら銃撃にも平気な不死身の身体になるの?

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★科学★
問題:世の中には、変なことを考える人がいるものです。ある理科系の書籍には、「ビールだけ飲んだ場合、どのぐらい生き延びられるか」とか、「毒蛇の毒をコップで飲んだらどうなるか」とか、「植物に根性はあるのか」などという不思議な疑問とそれに対する答が書かれていました*1。
■その書籍に書かれていた馬鹿馬鹿しくも興味深い質問のひとつ。「鉄砲の弾が当たっても死なないぐらいになるには、体重は何kgにすればいいか」。
■昔、小学生が鉛筆を削るのに使っていた文房具に肥後守(ひごのかみ)という刃物がありました。刃渡り7~8cmぐらいのナイフですね。肥後守を凶器として、体重300kgのお相撲さんのおなかを刺したとしても、お相撲さんは深刻な傷は負わないかもしれません。肥後守が根元まで刺さっても、刃先は腹膜に届かないでしょう。それと同様に、ふつうの拳銃の弾を受けても内蔵が傷つかない程度になるにはどのぐらいに肥満すればいいのかということらしい。
■では、参考資料*1に記されていたその回答は、何kgぐらいに肥満すればいいというのでしょうか? なお、身長175cm体重75kgの人を想定した数値になっています。
[い]350kg
[ろ]450kg
[は]550kg
[に]650kg
[ほ]750kg
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[に]650kg
説明:参考資料*1には、体内で銃弾がどのぐらい進むのか、その距離についてふたとおりの回答がありました。イギリス在住のトーマス・フンバートという人物は、60cmぐらいだろうと主張しています。皮膚をやぶってから筋肉を60cmほど破壊して進むという主張です。「近代銃器概説」という書物があり、そこには一般的な9mm弾は、体内でそのぐらい進むと書かれているらしい。実際には骨にあたったり、貫通してしまったりで、何cm進んだのかわからないで終わるようです。
■なお、皮下脂肪は筋肉よりも10%ほど密度が低く、柔らかいとのこと。つまり防弾性を高めるために肥満するならば、60cmよりも厚い皮下脂肪を身につけなければならないのかな。
■もう1人の回答者は、ドイツのハンス・ウルリッヒ・マストという人物です。この人によれば、銃弾の威力、直径、重量、形、素材など、さまざまな要因によって貫通する距離が決まるそうです。ライフルや拳銃の場合で、銃弾の直径は5~15mmとのこと。エネルギーは70から7000ジュールの間だそうです。ずいぶん幅があるものですね。
■警察の標準的な拳銃の銃弾は直径が9mmでエネルギーは500ジュールぐらいとのこと。ゼラチンの塊りを実験台にして貫通距離を測ると、5mの距離から発砲した場合で約30cmになるらしい。
■トーマス・フンバート氏の説では「防弾人間」は作れそうもありません。ここでは話を面白くするために、ハンス・ウルリッヒ・マスト氏の30cm説を採用してみます。ハンス氏によれば、175cm、75kgの人物の表面積は1.91平方mぐらいだそうです。「モステラーの公式」と呼ばれる公式があり、身長と体重から身体の表面積が概算で算出できるらしい。
■この表面積を、厚さ30cm、1立方cmあたり1gの脂肪ですっかり覆えば、5mの距離から銃で撃たれても内臓その他の大切な器官には損傷を受けずに済むかもしれません。細かい計算はわかりませんが、その脂肪の重さは573kgほどになるらしい。元の75kgの身体がありますから、全体重は約650kgということになるそうです。このぐらい重いと、もちろん自分では動けないでしょう。銃撃されなくても、自重でつぶれてしまい、死んでしまうかもしれません。砂浜に打ち上げられたクジラみたいな死にかたをしそうです。
◆参考*1:書籍「実証超科学講座」初版26~27頁、ニュー・サイエンティスト編集部編、ISBN978-4-576-07161-9、二見書房

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2009年03月19日 09:37
おもしろいですね。

脂肪は身を助けるですね。(笑

むかし、あるメーカーのバイク用の革ジャンを買ったのですが、22口径の拳銃で撃たれてもだいじょうぶですと説明されていて、ほんとうかな?と思っていたら、ある雑誌が、アメリカで、じっさいにそれを試したら弾が貫通しなかったという記事が載っていました。
でも、さすがに、32口径とか44マグナムだとダメだったと写真とともに載ってました。

バイクで転倒したときに体を保護するためだそうですが、鎧を着ているみたいにズッシリして重たかったですね。
ねこのひげ様<素町人
2009年03月19日 23:26
コメントをありがとうございます。

防弾チョッキ、防弾ガラスまでは承知していましたが、防弾革ジャンがあるとは知りませんでした。
これを着ていれば、イージーライダーの二人ももう少し長生きできたのかな。
(^^;)

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