町人思案橋・クイズ集

アクセスカウンタ

zoom RSS 上方落語に残るディープな関西弁。「すまんだ」とはなんのこと?

<<   作成日時 : 2009/02/04 06:39   >>

面白い ブログ気持玉 4 / トラックバック 2 / コメント 0

画像
★日本語★
問題:関西弁、大阪弁には、すでに全国区となった言葉がたくさんあります。たとえば、「なんでやねん」という突っ込み用語は、吉本興業や松竹芸能の営業努力により、日本国中の人が意味を理解するようになりました。
■逆に、関西・大阪に在住していても、年配のかたでないと理解できない言葉もあります。地方色が濃く、しかも古い言葉ですね。たとえば「けんたい」という言葉があります。「ぬの字鼠」という上方落語に登場します*8。
■台所の窓をあけて鰹節を削っていた寺の小僧さんを、和尚さんが叱る場面です。「(鰹節をかくのは)けんたいでやれるこっちゃないのや」。「けんたい」とは、「当然の権利のようにふるまう様子」を表すそうです*9。昔のお寺は肉食が禁じられています。鰹節も厳密には食物禁忌に触れるようです。鰹節をかくならもう少しこっそりやるべきだったらしい。
■次の5つの言葉も、「けんたい」に似て古めかしい関西弁だそうです。では、その意味についての記述のうち、正しいものはどれでしょうか?
[い]「じょらを組む」とは、腕組みをすることである
[ろ]「すまんだ」とは、謝罪の言葉である
[は]「いかき」とは、武器の一種である
[に]「あいだ」とは、「ふだん、平生、つね日ごろ」という意味である
[ほ]「けんげしゃ」とは、学問をひけらかす者という意味である
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[に]が正しい
説明:[い]「じょらを組む」とは、腕組みをすることである(×)
■正しくは、「『じょらを組む』とはあぐらを組むこと」だそうです。落語の「つる」では、年配者のうちを若者がたずねます。座敷にあがっていきなりあぐらをかきます。「いきなりじょら組む奴があるかいな。あとで足をくずすとも初めはきちっとすわんなはれ」と年上の者にたしなめられます*2。
□参考資料*1によれば、「じょろかく」、「じょろくむ」とも言うらしい。摂津、河内、和泉、播磨、山城、丹波、越前、西美濃の言い方だそうです。「丈六(じょうろく)」がそもそもの語源という説があるようです。丈六は、「1丈6尺。また、その高さの仏像」の意味らしい。仏像が坐像の場合、あぐらをかいているように見えるそうです。そこから、「じょろかく」、「じょらくむ」などの言葉が出てきたというわけですね。
□ちなみに1丈は10尺。1尺は曲尺(かねじゃく)なら30.3cmです。曲尺なら1丈6尺は4m85cm弱になります。
[ろ]「すまんだ」とは、謝罪の言葉である(×)
■正しくは、「『すまんだ』とは『すみっこ』のことである」だそうです。二代目露の五郎兵衛の「人形の目」という艶笑落語の枕で説明されています。「走りの下のねずみが ねずみがすまんだにはいりおった」という童謡があるらしい。ちなみに、「走り」とは台所の流しのことだそうです*3。「すまんだ」の語源はわかりませんでした。
□二代目桂枝雀の「阿弥陀池」では、「…植木市にひやかしに行って、帰りに『すまんだ』という一杯飲み屋で飲んで帰ったことがあるがな」という一節がありました。三代目桂米朝の落語「阿弥陀池(あみだがいけ)」にも「『すまんだ』で飲んだ」という一節があります。「隅っこ」という意味の飲み屋の名前なのでしょうかね。
[は]「いかき」とは、武器の一種である(×)
■正しくは、「『いかき』とはざるやかごのことである」だそうです。「竹で編んだかご、ざる」のことをいかきと呼ぶらしい。
□上方の落語に「米揚笊(こめあげいかき)」があります。強気の堂島の米相場師でゲンをかつぐ男の店の前を「米をあげる米揚笊」という売り声をとなえながら通ったら気に入られるというお話です*4。
□米を洗うためのざるで「飯掻き(いかき)」が語源だとする説があるようです。
[に]「あいだ」とは、「ふだん、平生、つね日ごろ」という意味である(○)
■「あいだ」は、割りとよく使われる言葉のようです。いくつかの上方落語に登場します。「あいだ、出すときに出しといたら、貰えるときにちゃ〜んと貰えんねん」と発言するのは、落語「らくだ」に登場するらくだの兄貴分、脳天の熊五郎です。
□らくだがフグに当たって死んでしまいます。長屋の月番のところに行って香典を請求してこい。通りがかりのクズ屋さんが脳天の熊五郎に強要されます。クズ屋さんはいやいやながら月番に頼み込みます。らくだはおおよそ長屋のつきあいからは浮いていたので、払うべきものは1回も払ったことがありません。香典なんか貰えた義理ではありません。でも、クズ屋さんから様子をきき、後難を恐れた月番が香典をかき集めて持っていく約束をします。
□クズ屋さんからその報告を受けた脳天の熊五郎の台詞が、「あいだ、出すときに…」という言葉でした。クズ屋さんは、「そっ、そうでんな」と苦笑いするしかありません*5。
[ほ]「けんげしゃ」とは、学問をひけらかす者という意味である(×)
■正しくは、「『けんげしゃ』とは、縁起をかつぐ者の意味である」だそうです。上方落語に、「けんげしゃ茶屋」という演目があります。縁起をかつぐ茶屋の人たちを、意地悪な旦那が徹底してからかうというお話です*6。
□「けんげしゃ」は明治時代にはすでに死語となった言葉という説があります。ホントに古い言葉なんですね。語源はよくわかりません。「ゲンゲシヤ」が元の形であり、「験(げん)消し屋」から来ているという説もあるらしい*7。
◆参考*1:HP「じょろかく とは」
http://www.weblio.jp/content/%E3%81%98%E3%82%87%E3%82%8D%E3%81%8B%E3%81%8F
◇*2CD「桂吉朝おとしばなし『吉朝庵』2 『たちきり/つる』」桂吉朝、TOCZ-5206、東芝EMI
◇*3CD「上方艶笑落語集3『紀州飛脚/人形の目』」二代目露乃五郎(現露の五郎兵衛)、COCF13243、日本コロムビア
◇*4CD「枝雀落語大全29『親子酒/米揚げ笊』」二代目桂枝雀、TOCF-55049、東芝EMI
◇*5CD「南光落語ライブ3『らくだ/初天神』」桂南光、TOCZ-5169、東芝EMI
◇*6CD「特選!! 米朝落語全集 第17集『けんげしゃ茶屋/稲荷俥』」三代目桂米朝、TOCZ-5081、東芝EMI
◇*7HP「☆☆ 桂米二ホームページ ☆☆」
http://www.yoneji.com/mame_2.html
◇*8HP「桂米朝珍品集1 『冬の遊び/ぬの字鼠他』」三代目桂米朝、TOCZ5043、東芝ENI
◇*9HP「ほべりぐデータベース:関西弁ch」
http://hougen.atok.com/dialect/showtop.sv?did=4&start=14381

ぬけられます→日本語雑学クイズ一覧


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 4
面白い 面白い
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた

トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
上方落語に残るディープな関西弁。「どぶさってけつかる」ってどんな意味?
●●●★日本語★●●● 問題:関東生まれの者が上方落語を聴いていると、ときどき意味のわからない表現に出っくわします。なんとなく適当に聞き流してしまいますね。正確な意味はよくわかりません。 ■たとえば、「向こう先見て物を言え」といった啖呵(たんか)があります。三代目桂米朝の落語「つる」にも登場します*2。床屋の世間話で知り合いの悪口を言われた男が、反論しようとしたときの台詞です。「よく考えて、あるいは、よく調べて発言しろ」といった意味あいらしい。少なくとも、そう言い換えても、意味は通じま... ...続きを見る
町人思案橋・クイズ集
2009/03/03 06:49
漢検3級程度にしては難しい四字熟語。「意気当合する」は正しかったっけ?
●●●★日本語★●●● 問題:本日は漢検3級の問題集に掲載されていた四字熟語についての問題です。なにしろ3級ですからやさしいはずではあります。でも出題者も知らなかった四字熟語なども含まれています。満点解答でなくても恥ずかしくないかも。 ■下の説明のうち、正しいものを選んでください。(正しい記述は無いかもしれないし複数かもしれません) [い]音吐朗朗は「オントロウロウ」と読む [ろ]愚者一得とは愚かな者が偶然から得をするという意味である [は]気炎万丈とは風邪の炎症で熱い息を高く吐... ...続きを見る
町人思案橋・クイズ集
2012/06/04 07:12

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
上方落語に残るディープな関西弁。「すまんだ」とはなんのこと? 町人思案橋・クイズ集/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる