精進料理は赤・黄・緑・黒の4色で構成されるものなの?

画像
★科学★
問題:精進料理は、インドで生まれ、中国その他の国を経由して日本に伝えられたらしい。仏教の伝来とともに、動物性タンパク質を制限する考え方が伝来したようです。
■精進料理は穀物と野菜が中心です。そのため、植物性の素材でいかにして料理をおいしくするかという課題を与えられました。これに対する解答がたとえば大豆の加工にあらわれます。大豆は、豆腐、油揚げ、湯葉、豆乳、納豆などに形を変えています。もちろん調味料である味噌、醤油も大豆が原料ですね。
■お寺では、坊さんたちが修行のために調理を担当しました。ただし、すべての寺院が常に寺院内で調理をしたわけではありません。宗派や時代により、寺院周辺の料理屋に仕出しを頼むことも多かったようです。現在の京都でも寺院の周辺に料理屋が多かったりするらしい。限られた素材でいかにおいしい料理を作るか。調理人に与えられた負荷のせいでしょうか、日本料理は素材の選定と調理法において大きく発展します。現在の日本が食通大国になったのも、ひとつには精進料理の影響があるとも言われます。
■本日は年をとるとともに閑心が高くなる精進料理についての雑学クイズです。次のうちで正しい記述はどれでしょうか?
[い]禅寺の精進料理は、味が淡白なため、健康によいとして武士や庶民に受け入れられた
[ろ]精進料理の食品の組み合わせは、赤・黄・緑・黒の4色だと言われている
[は]木綿豆腐一丁は、ソテー用豚肉100gよりもタンパク質を多く含んでいる
[に]ラッキョウやショウガは精進料理には使わない
[ほ]ゴマ豆腐をつくるのは禅寺の修行のひとつだ
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[は]と[に]、[ほ]が正しい
説明:[い]禅寺の精進料理は、味が淡白なため、健康によいとして武士や庶民に受け入れられた(×)
■鎌倉時代に発達した禅宗の精進料理は、菜食ではあるものの味付けがしっかりしていたようです。塩分が多かったらしい。肉体を酷使する庶民や武士が満足するものだったようです。
□平安時代の貴族たちの料理は味が淡白であり、また供された各自が調味料で味をつける方式もあったらしい*1。
[ろ]精進料理の食品の組み合わせは、赤・黄・緑・黒の4色だと言われている(×)
■正しくは、「精進料理の色の組み合わせは白・赤・黄・緑・黒の5色」だそうです。白は米や麦、蕎麦などの主食。赤は大豆製品、麩などのタンパク質。黄は根菜類でビタミンや繊維質。緑は葉菜類でこれもビダミンや繊維質。最後の黒は海藻やきのこ類でミネラルを多く含有しているようです*2。
[は]木綿豆腐一丁は、ソテー用豚肉100gよりもタンパク質を多く含んでいる(○)
■木綿豆腐一丁は約300gだそうです。かなり多くの部分が水分です。残った部分の約半分がタンパク質で約20.4gあるらしい。おなじ量のタンパク質をソテー用の豚肉で得ようとすれば124gが必要だそうです。
□同様に、若鶏皮付きももなら118g、卵ですと3.5個、ごはんなら茶碗6杯が必要になるらしい。豆腐のタンパク質は量的にすぐれています。また、必須アミノ酸をバランスよく含んで質的にも優れているとのこと*3。
[に]ラッキョウやショウガは精進料理には使わない(○)
■禅宗のお寺さんには門の前などには戒壇石という石碑が立っていて、「葷酒(くんしゅ)山門に入るを許さず(不許葷酒入山門)」などと刻まれています。ラッキョウやショウガは、ニラ、ネギ、ニンニク、ノビルとともに葷菜(くんさい)といわれ、門内への持ち込みが禁止されているらしい。
□葷菜はくさい。禁止理由はそれだけではありません。現代流行のシルデナフィルという薬品と同様で、煩悩を刺激するらしい。修行の妨げになるそうです。
□「葷」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞書「字通」によると、「クン、からな、なまぐさ」という字音・字訓があります。仏教の戒律を破る者を生臭坊主と呼ぶことと関係があるのかな。
[ほ]ゴマ豆腐をつくるのは禅寺の修行のひとつだ(○)
■参考資料*2によれば、「禅寺では、ゴマ豆腐の修業を十年続けて初めて、精進料理が解ってくると言われている」とのこと。ゴマ豆腐の製造には、熱い場所の上で材料を練る必要があるらしい。それが修行になるようです。
□「料理を含めて日常の行いそれ自体がすでに仏道の実践である」という考えかたもあるそうです。永平寺では料理の支度が重要な修行であり、調理場の責任者は組織内で重い役目を負っているらしい*1。
□参考資料*4によれば、精進料理でゴマ豆腐やゴマ和えなど、ゴマを多く使うのは、肉食の禁止で不足する脂質を補うためだそうです。
◆参考*1:HP「精進料理 Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B2%BE%E9%80%B2%E6%96%99%E7%90%86
◇*2HP「一乗院 一乗院の精進料理 精進料理の豆知識」
http://www.itijyoin.or.jp/syojin/chishiki.html
◇*3HP「豆腐[豆]知識(豆腐と健康) 京都府豆腐油揚商工組合」
http://tofu.or.jp/knowledge/file04.html
◇*4書籍「頭にやさしい雑学読本2」212~213頁、竹内均(たけうちひとし)編、ISBN4-8379-0926-4、三笠書房

ぬけられます→科学雑学クイズ一覧

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス

この記事へのコメント

tom
2009年04月07日 06:23
曹洞宗(禅宗)では「にんにく、ニラ、ネギ、ラッキョ(ノビルも含む)、タマネギ、アサツキ」については精進料理に使用しませんが、生姜については利用しています。誤解のないようにお願いします
tom様<素町人
2009年04月07日 06:25
コメントをありがとうございます。

 なるほど、曹洞宗では生姜はタブーではないのですね。宗派による違いでしょうか。


 参考資料*4の記述によれば、生姜は「葷(クン)」のうちであり、食物禁忌に触れるという主張でした。原文は次のとおりです。
……ニンニク、ニラ、ラッキョウ、ネギ、ノビル、ショウガの六つがそれで仏教の世界では葷と呼んでいます。葷を食すことが禁じられたのは、どれも強壮作用があって、修行の防げになるからだと言われています。……

 でも、「大辞泉」などによれば、「五葷(ゴクン、五辛(ゴシン)とも)」という言い方もあって、「大蒜(にんにく)・韮(にら)・葱(ねぎ)・辣韮(らっきょう)・野蒜(のびる)」が仏教で言う葷だそうです。ここには生姜が含まれていません。ちなみに、道教ではアブラナなどを含む別の野菜5種セットが五葷と呼ばれるらしい。
(続く↓)
tom様<素町人
2009年04月07日 06:27
(↓続き)
 なお、「大辞泉」の「葷」の項目の第2義によれば、「ショウガやタデのような辛みのある野菜」も葷と呼ばれているようです。なんだか混乱しそうです。一般人が呼ぶ葷と、仏教のお坊さんたちが呼ぶ葷とのあいだに若干の違いがあるのかな。

 仏教の他の宗派のかたで、生姜を食物禁忌とせずに平気で食べているぞというかたがおいでだったら、お知らせいただけると幸いです。
m(_ _)m
Tarp
2021年08月28日 11:04
出典がきちんと書かれているところがいいです。
貴重な情報ありがとうございます。

この記事へのトラックバック