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zoom RSS 小説「山月記」からの読み問題。「咆哮」はなんと読むの?

<<   作成日時 : 2009/02/26 06:48   >>

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★日本語★
問題:中島敦(なかじま あつし)の小説「山月記」は高校の現代文でとても人気のある教材だそうです。多くの国語の教科書に掲載されています。「新潮文庫の100冊」などにも収録され、多くの人がいちどは読んだことのある小説です。
■その割りには、難しい漢字、言葉も多いですね。おそらく、高校生のころ、試験直前はかなり読めたのかもしれません。でも、試験が終わってから現在に至るまで、すっかり忘れたままになっています。
■本日は、数年、あるいは数十年の記憶の闇を越え、中島敦の言葉遣いを思い出していただきましょう。小説中の漢字・熟語の読み問題です。常用漢字表に掲載されていない漢字がかなり多くなっています。つぎの言葉はなんと読むでしょうか?
[い]狷介
[ろ]炯々とする
[は]久闊
[に]誦んずる
[ほ]咆哮する
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]「狷介」はケンカイと読む
■「狷介」は、「頑固で自分の信じるところを固く守り、他人に心を開こうとしないこと」だそうです。
□「狷」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞書「字通」によれば、「ケン、きみじか、かたくな」という字音・字訓がありました。
□「山月記」の中では、冒頭の文章で使われていました。「隴西(ろうさい、甘粛(かんしゅく)省にある場所)の李徴(りちょう)は博学才穎(さいえい、才知に優れる)、天宝の末年、若くして名を虎榜(こぼう、公務員採用試験合格者一覧)に連ね、ついで江南尉(こうなんい、官職名?)に補せられたが、性、狷介、自(みずか)ら恃(たの)むところ頗(すこぶ)る厚く、賤吏(せんり、下級官吏)に甘んずるを潔(いさぎよ)しとしなかった」。少し長めの文章で、虎になった男の略歴と人となりを一気に紹介しています。
[ろ]「炯々とする」はケイケイ(として)と読む
■「炯々とする」は、「目などが鋭く光る」ことだそうです。「眼光炯々」という四字熟語があるらしい。「目がきらきらと鋭く光るさま。すべてを見透かしているようで、人を圧倒する目のこと」だそうです。
□「炯」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞書「字通」によれば、「ケイ、ひかり」という字音・字訓があるとのこと。「ランプが耿々(コウコウ)と輝く」という場合の「耿」という漢字と意味としてはおなじらしい。
□「山月記」の中では、「この頃からその容貌も峭刻(しょうこく、厳しく残忍なさま)となり、肉落ち骨秀(ひい)で、眼光のみ徒(いたず)らに炯々として、曾(かつ)て進士に登第(とうだい、合格)した頃の豊頬(ほうきょう、ふくよかな頬)の美少年の俤(おもかげ)は、何処(どこ)に求めようもない」と使われていました。誇り高き男が世に認められず、暮らしも苦しく、焦りを生じてきたころを描写しています。
[は]「久闊」はキュウカツと読む
■「久闊」は、「久しく会わないこと。便りをしないこと」だそうです。「無沙汰」と同義語らしい。「久闊を叙(じょ)す」というおきまりの言い方があります。「無沙汰をわびるあいさつをする。久し振りに友情を温める」という意味だそうです。
□「闊」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞書「字通」によれば、「カツ、ひろい」という字音・字訓があります。「闊達(カッタツ)」という熟語を作ります。「心がひろくこだわらない」という意味です。「自由闊達」と四字熟語にして使うこともありますね。
□「山月記」の中では、「袁は恐怖を忘れ、馬から下りて叢(くさむら)に近づき、懐(なつ)かしげに久闊を叙した」と使われていました。虎になった男と昔の親友が偶然出会った場面です。
[に]「誦んずる」はそら(んずる)と読む
■「誦んずる」は、「書いたものを見ないでそのとおりに言う」ことだそうです。「諳んずる」とも表記します。
□昔の人は、「教育勅語」や「軍人勅諭」を誦んずることができました。いまのわれわれが共通して記憶しているのは何かな。せいぜいが流行歌の歌詞ですね。平和だからそれでいいのかな。
□「誦」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞書「字通」によれば、「ショウ、ジュ、となえる、うた」という字音・字訓があります。「暗誦/諳誦(アンショウ)」という熟語を作ります。「暗唱(アンショウ)」とおなじで、「暗記したことを口に出して唱える」という意味です。
□「山月記」の中では、「そういう時には、曾(かつ)ての日と同じく、人語も操(あやつ)れれば、複雑な思考にも堪え得るし、経書(けいしょ、儒教の経典)の章句を誦んずることも出来る」という文で使われていました。虎となった男が、昔の親友に今の状態を伝える場面です。
[ほ]「咆哮する」はホウコウ(する)と読む
■「咆哮」とは、「猛獣などが、ほえたけること」だそうです。「猛虎の咆哮を聞く」などと使います。「咆吼」という漢字表記もあります。
□可愛らしい動物には使いません。ハムスターやモルモットの咆哮はおそらく生涯聞く機会がありません。攻撃性が高く、攻撃力が強い動物専用の言葉ですね。
□「咆」、「哮」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞書「字通」によれば、「咆」は、「ホウ、ほえる、なく、いかる」という字音・字訓があります。「哮」という漢字には、「コウ、ほえる」という字音・字訓があります。ともに、動物の鳴き声を真似た擬声語だそうです。
□「山月記」では、末尾の文章で使われていました。「虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢(くさむら)に躍り(おどり)入って、再びその姿を見なかった」。誇りが高すぎて虎に変身してしまった男が親友と最後の別れをし、山に帰る場面ですね。
◆参考*1:HP[図書カード 山月記]
http://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/624_14544.html
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林
◇HP「常用漢字表」
http://www.bunka.go.jp/kokugo/main.asp?fl=list&id=1000003929&clc=1000000068

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