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zoom RSS 泉鏡花の代表作「婦系図」からの読み問題。「気障」はなんと読むの?

<<   作成日時 : 2009/02/02 07:11   >>

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★日本語★
問題:泉鏡花(いずみ きょうか)は、明治の初めに生まれ、太平洋戦争開戦のちょっと前まで生きた戦前の作家です。「繊細優雅な文体で、独特の浪漫的境地を開いた」とのこと。小説「歌行灯(うたあんどん)」や「高野聖(こうやひじり)」、戯曲「夜叉ヶ池(やしゃがいけ)」などの作品が知られています。
■小説「婦系図(おんなけいず)」もまた、代表作のひとつです。新派の演目としてもよく知られています。戦前戦後を通じて6回ほど映画化されているそうです。
■歌謡曲「♪湯島の白梅(婦系図の歌)」もよく知られていますね。清水保雄(しみずやすお?)作曲、佐伯孝夫(さえき たかお)作詞で昭和17(1942)年にヒットしました。1番の冒頭は、「湯島通れば 思い出す お蔦主税(おつた・ちから)の 心意気…」というものだそうです。年配のかたならご存知のかたも多いでしょう。
■本日は、「婦系図」の冒頭部分からの漢字の読み問題です。次の言葉はそれぞれなんと読むのでしょうか? 青空文庫の「婦系図」に振られていたルビを正解とします。学校で習う読みでは通用しないかもしれません。
[い]「引き抜いたばかりの菠薐草の根を紅に照らした」の「菠薐草」
[ろ]「その話を聴いてお蔦は莞爾した」の「莞爾した」
[は]「低声(こごえ)で嗜めた」の「嗜めた」
[に]「いつもの向顱巻がいかにも涼しげだった」の「向顱巻」
[ほ]「およしよ、気障じゃないか」の「気障」
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]「引き抜いたばかりの菠薐草の根を紅に照らした」の「菠薐草」はほうれんそうと読む
■「菠薐草」は、アカザ科の越年草だそうです。ルテインというカロテノイドや葉酸を多く含むことで知られ、鉄分も他の野菜に比べれば多めだそうです。ポパイの上腕二頭筋の隆起に見られるような即効性があるかどうかは不明ですが、栄養価は高い食品のようです*2。目玉焼きのまわりを菠薐草で囲むと綺麗だし旨い。
□「菠」、「薐」というふたつの漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞書「字通」にも掲載されていませんでした。漢和辞書「字源」には掲載されていましたが、読みしかわかりません。「菠」は「ハ」、「薐」には「ロウ、リョウ」という字音があるようです。
□「菠薐」は中国語でペルシャのことを指すとのこと。「菠薐草」の原産地もまたペルシャらしい*2。
□小説では、「…俎(まないた)の上に揃えた、菠薐草(ほうれんそう)の根を、紅(くれない)に照らしたばかり…」と使われていました。
[ろ]「その話を聴いてお蔦は莞爾した」の「莞爾した」はにっこり(した)と読む
■「莞爾」は、「カンジ」とも読みます。「にっこりと笑うさま。ほほえむさま」だそうです。多数派ではありませんが、「ニコニコ動画」を「莞爾動画」と表記する人もいるようですね。
□「莞」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞書「字通」によれば、「カン、いのむしろ、わらう」という字音・字訓があります。そもそもは畳などに使われる藺草(いぐさ)のことだそうです。「もって席を作るべし」と昔の辞書には書かれているらしい。席を与えられて嬉しいから微笑むのでしょうか。尻が痛くなくなったから嬉しいのかな。
□小説では、「(ほおずきを鳴らして)『蛙だね。』と莞爾(にっこり)した」と使われていました。
[は]「低声(こごえ)で嗜めた」の「嗜めた」はたしな(めた)と読む
■「嗜める」は、「よくない点に対して注意を与える」という意味です。「たしなむ」という言葉もあります。こちらは「洋酒を嗜む」、「葉巻を嗜む」のように、「好んで楽しむ」という意味で使われます。洋酒や葉巻は「嗜好品」と呼ばれます。
□「嗜」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞書「字通」によれば、「シ、たしなむ、このむ」という字音・字訓がありました。「喜んで欲すること」という意味のある漢字らしい。なぜ「たしなめる」という意味が生まれたのか、不思議です。
□小説では、「…お蔦(つた)は振向いて低声(こごえ)で嗜(たしな)め…」と使われていました。
[に]「いつもの向顱巻がいかにも涼しげだった」の「向顱巻」はむこうはちまきと読む
■向顱巻は、「結び目が額の前にくるようにして締めた鉢巻き」のことだそうです。反対語は「後ろ鉢巻き」らしい。小学生が運動会で紅白の鉢巻きを締めたりします。あれはほとんどが「後ろ鉢巻き」ですね。
□「顱」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞書「字通」によれば、「ロ、どくろ」という字音・字訓があるようです。頭の骨を意味する漢字らしい。頭の骨のことを「はち」と呼ぶことがあります。そこに巻くので「はちまき」になるようです。
□小説では、「…向顱巻(むこうはちまき)の首を掉(ふ)って…」と使われていました。
[ほ]「およしよ、気障じゃないか」の「気障」はきざと読む
■「気障」は、「服装や言動などが気どっていて嫌な感じをもたせること」だそうです。日本の俳優さんでいえば誰かな。ミス・コンテストなどでよく司会を務めていたあの人などは気障の代表選手に見えますね。赤塚不二夫が描く漫画のイヤミも気障の代表かもしれません。
□小説では、「お止(よ)しってば、気障(きざ)じゃないか」と使われていました。
◆参考*1:HP「図書カード 婦系図」(青空文庫)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000050/card1087.html
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林
◇HP「常用漢字表」
http://www.bunka.go.jp/kokugo/main.asp?fl=list&id=1000003929&clc=1000000068
◇*2HP「ポパイの好物。ホウレン草の缶詰はホントにあるの? 」
http://blog.q-q.jp/200702/article_63.html

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