山で1回焼かれた炭が里や町でも燃えるのはなぜ?

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★科学★
問題:炭は、昔の日本人の生活にはなくてはならないものでした。昭和30年代に子供だった者は、暖房器具のひとつとしてまだ火鉢を使っていました。灰をたくわえた陶器の大きな鉢で炭を燃して手をあぶりました。炬燵(こたつ)もたしか炭を使っていたと記憶します。
■ガスや電気の普及で一度はすたれかけた炭です。でも、最近は、またよくみかけるようになりました。さすがに暖房用としてはあまり使われないようです。でも、料理に凝っている人はしょっちゅう使いますし、臭気を吸い込んでくれるので、トイレや玄関などに置かれたりします。
■本日は、炭についての雑学クイズです。次のうち正しい記述はどれでしょうか?
[い]炭が燃えるのは炭素が残っているからであり、山で炭を焼くときには、半分ほど炭素が残るようにするのがコツである
[ろ]炭には黒炭と白炭がある。備長炭はいわゆる白炭であり、より高い温度で焼かれている
[は]備長炭は、普通は表面温度が500度Cぐらいで燃えるが、うちわであおぐと1000度Cぐらいまで一気にあがる
[に]活性炭1gあたりの表面積は、テニスコートおよそ1~2面分にもあたる
[ほ]ご飯をたくときには黒炭を入れると水道水の塩素くささが抜けて飯が旨くなる
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[ろ]と[は]が正しい
説明:[い]炭が燃えるのは炭素が残っているからであり、山で炭を焼くときには、半分ほど炭素が残るようにするのがコツである(×)
■正しくは、「山では蒸し焼きにされるので炭素はほぼそのまま残る」だそうです。炭の原料はご存知のように木材です。植物です。水分をたっぷり含んでいます。また、揮発成分、フィトンチッドも多く含んでいます。山で「炭を焼く」ときには、これらを飛ばす作業をしているらしい。
□具体的には、窯の中に木材を並べ、窯を密閉して空気を遮断して蒸し焼きにするそうです。酸素が供給されないので炭素は二酸化炭素にはならず、ほとんど残るらしい。
[ろ]炭には黒炭(くろずみ)と白炭(しらずみ、しろずみ)がある。備長炭はいわゆる白炭であり、より高い温度で焼かれている(○)
■黒炭は「コクタン」と読むと石炭の一種で煙の多い黒い色をした種類を指します。ここでいうのは「くろずみ」で、木炭の一種です。黒炭は、ナラやクヌギなどの柔らかい木を原料として使うそうです。600度C前後で炭化させます。蒸し焼きが完了したあとは、そのまま窯を閉じてゆっくり冷まします。岩手切炭(きりずみ)などが有名らしい。表面の黒色が濃く、火のつきがいいという特徴があります。
□白炭は、ウバメカシなどの硬い木が原料になります。1000度C前後で炭化させます。蒸し焼きが完了したあと窯の口を開き、空気を入れます。温度が急上昇します。これで完全に炭化するらしい。炭を窯から取り出し、灰をかぶせて消火します。灰をかぶっているので白く見えます。備長炭は白炭だそうです。硬くて、切り口は金属のような光沢があります。
[は]備長炭は、普通は表面温度が500度Cぐらいで燃えるが、うちわであおぐと1000度Cぐらいまで一気にあがる(○)
■うちわであおぐだけで火力が調節できるというのは、ガスやIH調理器ではできない芸当ですね。しかも、煽げば炭は明るく輝いて高熱を発していることが一目瞭然です。すぐれたユーザーインターフェースといえます。
□炎をあげない点も炭のすぐれた点だそうです。一箇所に熱が集中しません。焦げにくい。まんべんなく赤外線で熱を与えます。また、水分が出ませんので、焼き上がりがべたっとしないそうです。
[に]活性炭1gあたりの表面積は、テニスコートおよそ1~2面分にもあたる(×)
■正しくは、「2~4面分にもあたる」だそうです。活性炭は、椰子殻(やしがら)などを炭化させ、さらに加熱したものだそうです。ふつうの木炭よりも倍以上の表面積があるといわれます。
□ふつうの炭1gあたりの表面積は、200~400平方mほどだそうです。テニスコートは長辺24.77m×短辺10.77m(ダブルスコートの場合)だそうです。
[ほ]ご飯をたくときには黒炭を入れると水道水の塩素くささが抜けて飯が旨くなる(×)
■正しくは、「ご飯をたくときには、白炭を入れると…」だそうです。白炭は洗剤を使わずに水洗いし、煮沸消毒してから使うといいらしい。黒炭だと水やご飯が汚れやすいようです。また、低い温度で炭化した炭では、タールなどが炭に残っていることがあり、かえって水質を低下させる恐れがあるようです。
◆参考*1:雑誌「身近な”?”の科学 炭」ニュートン0902月号108~109頁、担当筆者編集部板倉龍・高嶋秀行、ニュートンプレス

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