史上最大の悲劇といわれるスペイン風邪。全人類の3人に1人が感染したの?

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★科学★
問題:パンデミックという言葉がよく聞かれるようになりました。感染症の世界的な流行のことだそうです。鳥インフルエンザが人に感染し、さらに人から人へと感染するように変異すると、新しいパンデミックが生まれるかもしれないと恐れられてれます。
■交通があまり便利でなかった昔は、全世界的なパンデミックは起きませんでした。たとえば日本のような島国なら日本国内だけの流行で済んでしまうわけですね。欧州のような地続きの場所だと流行は広がりやすいのかもしれません。それでも、イギリスは被害を免れるとか、アフリカまでは広がらないといったことがあったようです。
■本日は、新型インフルエンザの恐怖とともに語られることの多いスペイン風邪についての雑学クイズです。次のうちで正しい記述はどれでしょうか?
[い]スペイン風邪という名前だが、発生地はアメリカのシカゴである
[ろ]スペイン風邪では、全人類の3人に1人が感染した
[は]スペイン風邪ウイルスは、鳥インフルエンザからの突然変異と考えられている
[に]スペイン風邪ウイルスは、現在のインフルエンザに比べて30倍もはやく増殖する能力がある
[ほ]スペイン風邪は元気なはずの青年層で多く死者が出た。壮年以上の年齢層には免疫があったとされている
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[い]と[は]、[に]が正しい
説明:[い]スペイン風邪という名前だが、発生地はアメリカのシカゴである(○)
■スペイン風邪は、大正7(1918)年の3月ごろにアメリカのシカゴ付近で発生したそうです。高い病原性を獲得したのは同年5月、アフリカのシエラレオネの首都フリータウン付近と見られているらしい。
□「アメリカ発の病気なのにスペイン風邪と呼ばれるのは、情報がスペイン発だから」とWikipediaには書かれていました。当時は第一次世界大戦の末期です。他の国は検閲が厳しい。スペインは中立国だったので、情報管制がほとんどなかったらしい。
[ろ]スペイン風邪では、全人類の3人に1人が感染した(×)
■正しくは、「全人類の2人に1人が感染した」だそうです。感染者数は6億人ほど。当時の世界人口は8~12億人だそうです。
□亡くなった人の数はかなり曖昧です。最少で4000万人。最多で1億人と言われます。多く見積もった場合は、戦争や自然災害を含め、いちばん多くの人を死に至らしめた災害になるらしい。
□日本では5500万人の人口のうち39万人が亡くなったらしい。その中には、東京駅の設計者辰野金吾(たつの きんご)、劇作家の島村抱月(しまむら ほうげつ)、女子教育者にして鹿鳴館の花といわれた大山捨松(おおやま すてまつ、山川捨松)らもいました*4。
[は]スペイン風邪ウイルスは、鳥インフルエンザからの突然変異と考えられている(○)
■スペイン風邪のパンデミックが猛威をふるっていたころには、ウイルスがどんなものか、はっきりとはわかっていませんでした。ウイルスは、光学顕微鏡ではなかなかとらえられないサイズです。もちろん、ウイルスを分離・保存することもできませんでした。つまり、スペイン風邪がどんな感染症なのか、後世の学者にもなかなか把握できなかったらしい。
□平成9(1997)年8月になってアラスカの凍土から4人分の遺体が発見され、採取された肺組織からウイルスの遺伝情報が確認されます。これによってスペイン風邪は鳥インフルエンザに由来するものだったと判明しました。最近、鳥から人、さらに人から人へと感染するする新型インフルエンザの恐怖が語られています。スペイン風邪の二の舞はいやだという率直な反応なわけですね。
[に]スペイン風邪ウイルスは、現在のインフルエンザに比べて30倍もはやく増殖する能力がある(○)
■Wikipediaによれば、「増殖をつかさどる3つのポリメラーゼ遺伝子」の効果で、現在のインフルエンザに比べて、30倍もはやく増殖するらしい。毎年流行するインフルエンザだってたちまち悪寒が来て高熱が出て関節が痛んで倦怠感に覆われて仕事ができなくなります。30倍もはやく増殖されたらどうなっちゃうんでしょうね。
[ほ]スペイン風邪は元気なはずの青年層で多く死者が出た。壮年以上の年齢層には免疫があったとされている(×)
■正しくは、「壮年以上の年齢層に免疫があったとされる説はあまり有力ではない」だそうです。というのは、青年層には多くの感染者・死者が出たものの、それよりも小さな子供たちの被害は目立たなかったらしい。ふつうのインフルエンザでは高齢者と並んで子供の犠牲者が多いものだそうです。免疫も体力もない子供たちが青年ほどの被害を受けなかったことは、反証になるらしい。
□いま有力なのは、「免疫機能の過剰反応により、白血球がサイトカインを異常に多く分泌することで肺など臓器が不全に陥る『サイトカイン・ストーム』が原因であるという見解」だそうです。ただし、これも専門家の意見が一致しているわけではないらしい。
□サイトカイン・ストームとは、サイトカインと呼ばれる情報を伝達するタンパク質が過剰に生成されてしまう現象らしい。気道閉塞や多臓器不全を引き起こすとのこと。免疫系の活発な反応が過剰な生産につながるため、若くて健康な人がかえって罹患しやすいそうです。
◆参考*1:HP「インフルエンザ ハイリスク群」
http://influenza.elan.ne.jp/basic/highrisk.php
◇*2HP「スペイン風邪 Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%8B%E3%81%9C
◇*3HP「パンデミック Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF
◇*4HP「津田梅子が津田塾を創設した日。源氏物語をポルノと断じたのはホント?」
http://blog.q-q.jp/200709/article_38.html

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