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zoom RSS 落語で使われる懐かしい言葉。「野放図」とはどんな意味なの?

<<   作成日時 : 2009/01/13 06:47   >>

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★日本語★
問題:若い人はあまり使わない。でも、長く日本人をやっていると、使いこなせる言葉があります。古めかしいけれど面白い。いぶし銀の光を放つ言葉です。とくに落語ではよく耳にします。
■本日は、江戸の昔から現在にいたるまで使われる言葉についてのクイズです。次のうちで正しい記述はどれでしょうか?
[い]「野放図(のほうず)」とは「図々しいこと」を意味する
[ろ]「伯仲(ハクチュウ)」の語源は日本の故事にある
[は]「素見」は「ひやかし」と読む
[に]「反故(ほご)」は裁縫に関係した言葉である
[ほ]「径山寺味噌」は嘗めて楽しむ味噌であり、調味料には使われない
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[い]と[は]、[ほ]が正しい
説明:[い]「野放図」とは「図々しいこと」を意味する(○)
■「野放図(のほうず)」とは、「人を人とも思わない図々しい態度。横柄なこと」だそうです。「野放図な性格」とか、「野放図なふるまい」などと使われます。もうひとつ、「際限のないこと。しまりがないこと」という意味もあるらしい。漢字としては「野風俗」という表記もあるとのこと。
□織田作之助(おださくのすけ)という作家の「四月馬鹿」という文章では、次のように使われていました。「ちょっと受ける感じは、野放図で、ぐうたらみたいだが、繊細な神経が隅々まで行きわたっている」。これは「図々しい」という意味かな。それとも「しまりがない」という意味かな。
□六代目三遊亭圓生の「三軒長屋」では、「野放図もねぇことをいうねぇ」と主人公である鳶のかしらがカミサンを叱る場面があります。こちらは「野放図もねぇ」で、「しまりがない」という意味なのでしょうか。
[ろ]「伯仲」の語源は日本の故事にある(×)
■正しくは、「中国の兄弟の呼び方に由来する」だそうです。「伯仲」とは「力がつりあっていて優劣のつけがたいこと」です。「実力が伯仲している」と使われることが多い。
□昔の中国では長男を「伯」、次男を「仲」と呼んだそうです。三男は「叔」、末っ子は「季」だそうです。男の兄弟が5人以上だったら、別の呼び名が必要になりそうですね。
□年齢差が大きいので、長男と三男以下の兄弟喧嘩は一方的な結果になります。でも、長男と次男の喧嘩ならいい勝負かもしれない。そこから生まれた言葉が「伯仲」だそうです。
[は]「素見」は「ひやかし」と読む(○)
■「ひやかし」にはふたつの意味があるようです。「冗談などを言ってからかうこと」という意味があります。いい仲であることが露見した男女は、ひやかされたりします。もうひとつの意味は、「買う気がないのに商品を見てまわること」です。ウインドウショッピングかな。こちらの意味で使うときに、「素見」という漢字表記があてられるらしい。「素通」という漢字表記もあるようです。たしかに店の会計の前は素通りします。
□登楼する気もないのに遊女を見て回ることも素見です。吉原の近く、山谷の紙すき職人から出た言葉といわれます。紙をつくる途中で何かを水で冷やす工程があるらしい。原材料を冷やすという説。またリサイクルされてきた紙を煮て繊維を解きほぐしたあとで冷やすのだという説。いろいろな説がネットで見られます。どれがホントかはよくわかりませんでした。
□いずれにせよ待ち時間があります。近くの吉原へ行き、格子の中の女郎をからかって帰る。これが「ひやかす」の語源だという説が有力なようです。
[に]「反故」は裁縫に関係した言葉である(×)
■正しくは、これも「紙に関係した言葉」だそうです。「反故」とは、「物を書きそこなったりして不要になった紙」らしい。「反古」とも書きます。捨てたり、便所で使ったりします。昔は100%が非水洗トイレです。シャワー洗浄装置もありません。紙を揉んで柔らかくし、粘膜を傷つけないように気遣いながらそっと拭きました。拭いたあとは、壷の中に落とします。落とし紙という呼び方もしたようです。
□「反故」という言葉は「反故にする」という使われかたが多いですね。「契約を反故にする」といえば、「なかったことにする」という意味になります。契約書は役目を失い、便所の落とし紙に使われることになります。
□三代目桂米朝の落語「三枚起請(さんまいきしょう)」では、女郎が客に対して、「あんた反故をもって歩いていてんの。年やわなぁ」と言う場面がありました。「ほご」というより「ほおご」と聴こえましたけど。関西ではそんな発音なのかな。
[ほ]「径山寺味噌」は嘗めて楽しむ味噌であり、調味料には使われない(○)
■「径山寺」は「きんざんじ」と読みます。Wikipediaの径山寺味噌の項には次のように記されていました。「大豆・米・麦・野菜等から作られ、熟成期間は短いものでは1週間、長くても3ヶ月である。調味料としては用いられず、おかずや酒の肴としてそのまま食べる」。現在の和歌山県の名産品とのこと。「金山寺」という漢字表記もあるそうです。
□径山寺は、中国浙江省(せっこうしょう)にある名刹(めいさつ、名高い寺)です。中国五山のひとつに数え上げられているそうです。径山寺の僧侶によって日本に伝えられた食品なのでこの名前になったらしい。
□五代目志ん生の十八番として知られる古典落語「黄金餅(こがねもち)」の主人公は、径山寺味噌を商売にしている金兵衛(きんべえ)という人でした。江戸時代には行商して歩いたもののようですね。
◆参考:書籍「生かしておきたい江戸ことば 450語」澤田一矢(さわだいっし)著、ISBN978-4-344-40981-1 C0195、幻冬舎
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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