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●●●●★科学★●● 問題:ついこの間まではCRTを使ったパソコンのディスプレイ装置が全盛でした。いわゆるブラウン管ですね。ところがいまでは液晶を使った装置に置き換えられています。おかげで事務の現場では、少しだけ空間を有効利用できます。消費電力はかなり少なくて済みます。温暖化対策にもなっているのかな。おなじ世代交代が家庭のテレビでも起こっていますね。 ■液晶ディスプレイの仕組みはどうなっているのでしょうか。液晶というのは、その名前のとおり、液体と結晶の中間に位置する存在のひとつだそうです。液体の中では分子がランダムに位置しているらしい。結晶の中では、分子は上下左右にお行儀よく並んでいるものらしい。 ■口絵の図の上の方をごらんください。液晶内の分子がランダムな方向を向いています。光をあてても分子にさえぎられてしまい、透過しません。いわば液体なのでしょう。 ■口絵の図の下の方をごらん下さい。液晶に対して電圧をかけています。液晶の分子がプラスとマイナスに帯電して透明な電極のマイナス、プラスの方向に向いて揃います。この状態では光を透過することができるそうです。液体の性質もあるし、結晶の性質も備えている物質だからこそ起こる現象らしい(口絵の図は資料*1を参考に素町人が描きました)。 ■ものすごく雑に言えば、電気のオンオフによって「光を通す/通さない」というスイッチを作っているのが液晶ディスプレイの原理らしい。「光を通す/通さない」というスイッチを無数に…といっても1024×768とか、1920×1200、あるいはその倍数など、有限な個数らしいのですが…ともかくたくさん平面上に配置したスイッチの集合がパソコン用の液晶ディスプレイや液晶テレビだそうです。デジタルカメラや携帯電話に使われている液晶ディスプレイはもう少しスイッチの数が少ないようですね。 ■ところで、口絵の図にも見られる「透明電極」は、液晶の技術の中でもなかなかむずかしいもののひとつだそうです。この素材は、役目からして電気を通す素材でなければなりません。また透明でなければなりません。ところが、「透明な物質は電気を通さない」という変な原則があるそうです。たとえばダイヤモンドは炭素の結晶ですが透明であり、かつ絶縁体だそうです。おなじ炭素で出来ていても黒鉛は不透明で電気を通します。 ■電気が流れるためには、電子などの「電気のにない手」が移動しなければならないそうです。物質の中に電気のにない手が多くあるほど、電気はよく流れるらしい。でも、電気のにない手は、光に照らされると光をつかまえて吸収してしまうそうです。だから、透明な物質は電気を通さないということになるらしい*2。 ■とても珍しい例外が酸化インジウムスズ(ITO)という物質だそうです。平成20(2008)年現在の液晶ディスプレイでは、ほとんどの場合、この物質が透明電極に使われているようです。ところが、インジウムはあまり多く入手できる金属ではないとのこと。いまの調子で使われると、平成23(2011)年ぐらいで枯渇するという予測すらあるらしい。地上デジタル放送に完全に切り替わる年ですね。そのころ、地デジの放送を新品の液晶テレビで観たいと思っても、液晶テレビが店頭から消えていた…なんて珍現象が起こるのかな。 ■そうならないために、酸化インジウムスズの代替材料の研究が行なわれているようです。日本の東海大学でも、代替材料の研究が進んでおり、わりと身近にある、そして入手しやすい元素を使って透明電極の素材が試作されているとのこと。では、東海大学では、どんな元素を使って透明で電気を通す素材を作ろうとしているのでしょうか? [い]チタン [ろ]マグネシウム [は]亜鉛 [に]銅 [ほ]ニッケル (答えはずっと下↓ スクロールして下さい) ●●●●★科学★●● 正解:[ろ]マグネシウム 説明:マグネシウムは、肥料の原料に使われているそうです。光合成をおこなう色素クロロフィルに含まれているらしい。マグネシウムが不足すると、植物の成育が遅くなり、収穫量が減るようです。 ■動物にとっても大切な栄養分らしい。タンパク質を合成する際に使われたり、エネルギー代謝にも必要なんだそうです。身近なところでいえば、豆腐を作るときに使われる「にがり」の主成分は、マグネシウム塩らしい。 ■東海大学の久慈俊郎(くじとしろう)教授、千葉雅史(ちばまさふみ)准教授たちは、マグネシウム、炭素、水素、酸素といった身近な元素だけで電気を通す透明な素材を開発したらしい*2。その物質の名前は水酸化マグネシウムだそうです。 ■ふつうの水酸化マグネシウムは、透明度の高い絶縁体だそうです。そこに炭素をまぜるらしい。こちらは、ダイヤモンドのような特殊な結晶を除けば、黒い良導体です。ふたつの相反した性質を持つ物質を原子レベルでまぜあわせると、透明かつ電気を通す水酸化マグネシウムができるようです。 ■残念ながら、マグネシウムと炭素の原子は、相性があまり良くないそうです。隣り合うと不安定になるとのこと。原子レベルでまぜあわせるのが難しいらしい。 ■そこで、2種類の原子に強いエネルギーを与えて、飛び出させてガラス板に張り付けたらしい。この結果、2種類の原子が均一にまざった黒い膜ができたそうです。15分ほどすると、この膜は透明に変化したとのこと。空気中の水蒸気とマグネシウムが反応して、水酸化マグネシウムの結晶に変化していたと推測されています。炭素は水酸化マグネシウムの結晶の中に取り残されたらしい。そんなこんなで、透明かつ電気の流れる素材が偶然から誕生したようです。 ■ひょっとしたら、稀少金属であるインジウムのかわりになるかもしれません。平成23(2011)年以降も液晶ディスプレイが安価に販売されているかどうかは、久慈教授らの研究にかかっているのかな。 ◆参考*1:書籍「知るほどハマル!化学の不思議」初版240〜241頁、吉村忠与志(よしむらただよし)著、ISBN978-4-7741-3017-0 C3043、技術評論社 ◇*2雑誌「マグネシウムが液晶を救う」ニュートン0801月号13頁、担当筆者編集部市田朝子、ニュートンプレス ぬけられます→科学雑学クイズ一覧 |
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希少金属の話。最終製品からの回収・リサイクルは効果が高いの?
●●●●★科学★●● 問題:レアメタルという言葉をよく耳にします。希少金属という意味ですね。我々がニュースで見聞きするのは、多くの場合、価格が高騰しているとか、枯渇しそうだというお話です。少し暗い話題として登場します。 ■レアメタルというのは、特別な定義はないようです。人によっては30種類余りを挙げます。別の定義では、60種類ほどになります。入手しにくい金属はすべてレアメタルであるという意見があります。金属だけでなく、ケイ素やホウ素といった半金属元素までを含める定義もあるようです。 ... ...続きを見る |
町人思案橋・クイズ集 2009/01/06 06:52 |
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