クモの糸で防弾チョッキを試作したことがあるってホント?

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★科学★
問題:嘘かホントか、徳川家康はクモが大嫌いだったそうです。小さなクモでも、糸を伸ばして近くに垂れてくると、脂汗を流してじっとしていたらしい。追い払うこともできず、「去るまで待とう」という心境だったようです。
■そこまで嫌いではなくても、クモはあまり好感度の高い動物とはいえません。でも、クモの持つさまざまな特徴は興味をそそられる点もあります。たとえば、クモの眼です。足とおなじで8つもあるとのこと。ところが、そのどれもがあまり良くないらしい。参考資料*1には近視とありました。
■張られたクモの巣のそばに、餌になりそうもない、巣を壊しそうな動物が近づくと、脅かすために巣を揺らしたりするとのこと。あきらかに見えてはいるらしい。でも、雲の影が動いても反応するそうです。あまり明確に見えているわけでもないようです。
■空を飛ぶのもクモの不思議な点です。たとえば生まれたばかりのクモの子は、高いところにあがり、お尻から糸を伸ばして風を待つそうです。風が吹くと糸が風になびき、それに乗って飛んでいくらしい。バルーニングと呼ばれているとのこと。いちどにたくさん生まれるクモの子供たちは、風に乗って拡散することで餌を捕る機会や生き延びる機会を高めているようです。
■人生を始めようとするクモの子が空を飛ぶのは日本では6月ごろが中心だそうです。これとは別に、晩秋から初冬にかけて、クモが一斉に空を飛ぶ現象もあるらしい。ちょうどいまごろからでしょうか。東北地方では「雪迎え」という風物詩になっているそうです。
■本日は、不思議の一杯つまったクモについての雑学クイズです。次のうちで正しい記述はどれでしょうか?
[い]絹糸とクモの糸はおなじぐらいの強度があり、どちらもおなじ太さの鋼鉄よりも強い
[ろ]昔の西洋では、クモの糸で織られた服が存在した
[は]ナチス・ドイツでは、クモの糸を原材料とした防弾服が実用に供された
[に]クモは古くなった糸は自分で食べ、最短では1日余りで新しい糸として再生することができる
[ほ]クモの足をベンジンで拭くと、自分の網に自分でかかってしまう
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[ほ]が正しい
説明:[い]絹糸とクモの糸はおなじぐらいの強度があり、どちらもおなじ太さの鋼鉄よりも強い(×)
■正しくは、「クモの糸は絹糸の倍ほど強く、おなじ太さの鋼鉄よりも強い」だそうです。たとえば太さ0.01cmのオニグモの糸は、80gの重さに耐えるらしい。コガネムシのような大型の昆虫が暴れても巣が破れないのは、それだけの強さによるものかもしれません。
□芥川龍之介の小説「蜘蛛の糸」に登場する蜘蛛は、かなり特殊な種類と推測されます。最低でもカンダタという人間一人の重さを支えるほどの強さがあったようです*3。
[ろ]昔の西洋では、クモの糸で織られた服が存在した(×)
■正しくは、「クモの糸で織られた手袋や靴下が存在した」だそうです。絹糸よりも丈夫で、しかもゴムのような弾力性があるそうです。織物の素材としては魅力があったようです。しかも、金色に輝くクモの糸もあったらしい。王様や女王様にクモの糸で織った手袋や靴下が献上されたようです。
□この手袋は「ゴールデン・グローブ」と呼ばれ、現代では優れた映像作品に与えられる賞の名前にも使われている…というのはまったくのデマです。例の賞の名前は、「globe(地球・天体)」のほうであり、「gloves(手袋)」のほうではないらしい。
[は]ナチス・ドイツでは、クモの糸を原材料とした防弾服が実用に供された(×)
■クモの糸は強くて弾力性に富みます。軍の関係者としては、防弾チョッキに使ってみたくなるものらしい。伸縮性が高いので、チョッキどころか全身を覆う服が作れるかもしれません。実現すれば、強い軍隊ができそうです。
□アイデアとしては悪くないようですが、クモの糸はなかなか量産できないそうです。絹糸を作るカイコは仲間どうしが近所にいてもとくに喧嘩が起きません。みんなで仲良く桑の葉っぱをかじっています。ところがクモは仲間が近くにいるとすぐに喧嘩を始めるらしい。飼うためには広い場所が必要です。餌は動物性で大量に必要です。これらの理由から、スパイダー・スーツはなかなか実用化できないらしい。
[に]クモは古くなった糸は自分で食べ、最短では1日余りで新しい糸として再生することができる(×)
■正しくは、「…30分ほどで新しい糸として再生することができる」だそうです。網が破れたりして不要になった糸は、クモが食べます。元の糸のタンパク質の8~9割が糸をつくる器官に戻されるとのこと。効率がいいですね。放射性物質を使った研究では、食後30分で糸として再生されたという報告もあるそうです*1。
[ほ]クモの足をベンジンで拭くと、自分の網に自分でかかってしまう(○)
■クモの巣にかかった獲物は逃げ出せず、暴れるほどに糸がからまります。そこに巣の主があらわれ、さらに糸を吐きかけたりします。身動きがとれなくなると、じっくり食事にかかるようです。
□クモ自身は、自分の足に特殊な油脂を分泌しているとのこと。この油脂のおかげで、糸にからまれないようです。ベンジンなどでこの油脂をふき取ると、クモは自分自身の糸に絡まってしまうそうです。
◆参考*1:書籍「日常の生物事典」初版41~44頁、田幡憲一・早崎博之他編、ISBN4-490-10495-2 C1545、東京堂出版
◇*2書籍「頭にやさしい雑学読本1」初版33~37頁、竹内均編、ISBN4-8379-0912-4、三笠書房
◇*3HP「芥川龍之介「蜘蛛の糸」からの読み問題。「頓着」はなんと読むの?」
http://blog.q-q.jp/200806/article_48.html

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