ファラデーにならいロウソクの科学。微重力状態で燃やすと炎は横に広がるの?

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★科学★
問題:「ロウソクの科学」という本をご存じだと思います。マイケル・ファラデーという庶民派科学者が少年少女のために書いた本だそうです。ファラデーは貧しい家庭に生まれ、教育もロクに受けられませんでした。幸い、科学者の助手になる機会にめぐまれ、やがて本格的な研究を始め、電磁誘導の原理などさまざまな貴重な発見をしたそうです*4。
■「ロウソクの科学」は、クリスマスに行なわれる素人向け講座のために書かれたらしい。ファラデー氏によれば、「ロウソクの現象を見れば、この宇宙を仕切っている法則はすべて顔を出す」とのこと*2。ロウソクの炎の中には小さな宇宙が隠されているらしい。
■では我々も、ファラデー氏にならい、ロウソクの科学について考察してみましょう。次のロウソクに関する記述のうち、正しいものはどれでしょうか?
[い]古代エジプト人たちはすでにロウソクを使っていた
[ろ]ロウソクはロウ自体が燃えているのではなく、ロウが気化したガスが燃えている
[は]ロウソクの芯の燃える速度は、(ロウのない)単なるひもの燃える速度よりもだいぶ遅いが、これはロウの被った部分には酸素が供給されず、燃焼がさまたげられるからだ
[に]ロウソクには2種類の炎がある。黄色い炎のほうは、線香花火の黄色い炎とおなじ色である
[ほ]ロウソクの炎は地上では縦長の滴型(しずくがた)だが、宇宙船の中では横に広がったテーブル型になる
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[い]と[ろ]、[に]が正しい
説明:[い]古代エジプト人たちはすでにロウソクを使っていた(○)
■現在のロウソクは、原油を分留してつくったロウを原料としているらしい。でも、昔の人たちは、植物や動物の油脂からロウソクを作ったそうです。
□たとえばミツバチの巣の主成分はロウだそうです。そういえば連中のワンルーム・マンションは野ざらしですが、雨には強そうです。ミツバチの巣を溶かして精製すると蜜蝋(みつろう)ができるとのこと。日本では、ハゼの木の果実からとれる木蝋(もくろう)も原料として使われたらしい。
□古代エジプトでは、ミイラの作成に蜜蝋が使われています。いまから3300年ほど前のツタンカーメンの墓からは燭台も発見されているらしい。古代エジプト人はすでにロウソクを使っていたと推測できるようです。
[ろ]ロウソクはロウ自体が燃えているのではなく、ロウが気化したガスが燃えている(○)
■ロウソクの芯に火を近づけると芯が燃えだします。その熱でロウが溶けます。液体となったロウは毛細管現象で芯をのぼります。炎に近づくと液体のロウが気体となって燃料となるそうです。つまり最終的には気体が燃えていることになるらしい。
□気体が燃えていることは、実験で確認できるそうです。燃えているロウソクの芯の上に不燃性素材の管を差し込みます。管の端に火をちかづけると、小さく燃えだし炎がゆらめきます(説明末尾の図を参照)。
[は]ロウソクの芯の燃える速度は、(ロウのない)単なるひもの燃える速度よりもだいぶ遅いが、これはロウの被った部分には酸素が供給されず、燃焼がさまたげられるからだ(×)
■正しくは、「…気化熱が奪われて芯が燃えなくなるから」だそうです。ロウソクの芯は、いちばん最初だけは実際に燃えます。その熱で液体化したロウが毛細管現象で芯をのぼってきます。炎に近づいて気化しはじめると、もう芯そのものは燃えなくなるらしい。ロウが気化するときに気化熱が奪われ温度が下がるからとのこと。それ以降、芯はほとんど燃えず、液体と気体の通り道として機能するようです。
[に]ロウソクには2種類の炎がある。黄色い炎のほうは、線香花火の黄色い炎とおなじ色である(○)
■ロウソクの炎には、青みがかった炎と黄色い炎の2種類があります。青みがかった炎はロウに近い部分にわずかに見えます。大部分は黄色い炎です。これは気体と化した炭素が燃えているらしい。炎の真ん中に硝子板を差し込むと、まっくろに煤(すす)がつきます。でも炎のいちばん上あたりに硝子板をかざしても、煤はほとんどつきません。すでに燃焼してしまっているらしい。参考資料*1によれば、線香花火の黄色い輝きも、炭素が燃焼する色だそうです。
[ほ]ロウソクの炎は地上では縦長の滴型(しずくがた)だが、宇宙船の中では横に広がったテーブル型になる(×)
■正しくは、「…宇宙船の中では球形になる」だそうです。地上では暖かい空気は膨張し、軽くなって上にあがります。小さな上昇気流が起きるらしい。その風によって上向きの滴型になるようです。宇宙船の中は、無重力あるいは微重力状態です。空気は暖められたからといって気流にはなりません。そのため、丸い炎ができるとのこと。これは実験で確認されているそうです。
□不思議なことに、地上でのごく小さな炎も丸くなるそうです。内径0.1mmというごく細い管に可燃性のガスを通して火をつけます。無重力状態とおなじように丸い炎になるとのこと。ちょっと不思議ですね*1。上昇気流が起きるほどの熱がないのかな。
◆参考*1::雑誌「身近な"?"の科学 ろうそく」ニュートン0701月号124~125頁、担当筆者編集部森久美子、ニュートンプレス
◇*2HP「ロウソクの科学」
http://www.genpaku.org/candle01/candle.pdf
◇*3HP「ろうそく – Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9D%8B%E7%87%AD
◇*HP「「ロウソクの科学」で知られるファラデーの逸話とは?」
http://blog.q-q.jp/200601/article_66.html

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