秋の味覚、梨の話。同じ仲間どうしで交配されても実はならないの?

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★科学★
問題:梨はお好きでしょうか。昔は長十郎とか二十世紀という梨が主流でした。どちらも旨かったですね。近ごろは幸水(こうすい)、新水(しんすい)、豊水(ほうすい)という梨が市場を奪っているらしい。長十郎の生産量は減っているそうです。新しい品種はみんな下に水がつくので、三水(さんすい?)と呼ばれることがあるらしい。
■梨の語源について、江戸時代の新井白石(あらいはくせき)は、中心部ほど酸味が強いから「中酸(なす)」と呼ばれ、転じてナシとなったという説を披露しているそうです。他の人の主張もいろいろあります。果肉が白いので「中白(なかしろ)」、あるいは「色なし」が語源であるという説。風があると実らないので、「風なし」が語源だろうという説。あるいは「甘し(あまし)」や「「性白実(ねしろみ)」という言葉が語源だという説もあるらしい。
■では秋の味覚の代表選手のひとつ、梨についての雑学クイズです。次のうちで正しい記述はどれでしょうか?
[い]登呂遺跡では多量の梨の種子が見つかっている
[ろ]洋梨は日本の二十世紀や長十郎などとは異なる科の植物である
[は]梨はおなじ品種どうしでは結実しない
[に]シャリシャリとした食感は「砂細胞」と呼ばれる特殊な細胞がつくっている
[ほ]ビタミンBやCが豊富である
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[い]と[は]が正しい
説明:[い]登呂遺跡では多量の梨の種子が見つかっている(○)
■日本で食べられている梨の祖先は、中国が原産だそうです。弥生時代にはすでに食べられていたらしい。静岡県の登呂遺跡は2~3世紀ごろ、弥生時代の集落跡だそうです。梨の食用が推定できるほどの量の種が見つかっているらしい。
□江戸時代には100種類を越える品種が生まれていたそうです。寛政の改革をすすめた松平定信(まつだいらさだのぶ)の日記に千葉県船橋付近の梨栽培の様子が記述されているとのこと。
□明治時代には長十郎や二十世紀が登場します。二十世紀という名前は、札幌農学校でクラーク博士の薫陶を受けた人がつけたようです。当時としては気宇壮大(きうそうだい)な名だったそうです。
[ろ]洋梨は日本の二十世紀や長十郎などとは異なる科の植物である(×)
■洋梨は、頭が細く、お尻の大きな梨ですね。ケーキなどにのっているのは食べますが、果物屋で買ってまで食べたいとは思いません。で、梨はバラ目バラ科ナシ亜科梨属の植物。洋梨もまったくおなじだそうです。それにしても林檎、桃、梨、桜桃(さくらんぼ)、李(すもも)など、バラの仲間は食卓に並ぶ頻度が高いですね。
[は]梨はおなじ品種どうしでは結実しない(○)
■素人には不思議に思えることですが、梨はおなじ品種間では結実しないそうです。自家不和合性と呼ばれるらしい。遺伝子の関係だそうです。
□たとえば、「二十世紀、六月、早生(わせ)長十郎、菊水、祇園、早生二十世紀」はおなじ遺伝子の仲間だそうです。仲間同士では結実しないとのこと。たとえば、二十世紀の花粉を二十世紀の雌蘂(めしべ)につけても結実しないらしい。菊水という品種の花粉を祇園という種類の雌蘂につけても結実しないそうです。
□でも、二十世紀の花粉を、別の遺伝子の仲間である豊水の雌蘂につけると結実するらしい。素人考えだと、新しい品種がむやみに増えそうですけど。
[に]シャリシャリとした食感は「砂細胞」と呼ばれる特殊な細胞がつくっている(×)
■正しくは、「…『石細胞』と呼ばれる組織のせいである」だそうです。Wikipediaによれば、「ペントザンやリグニンという物質が果肉に蓄積することで細胞壁が厚くなったもの」が石細胞だそうです。ペントザンがなにかはよくわかりません。「木材はセルロース・ペントザンとリグニンなどの化学物質によって構成されている」という文章は見かけました。ペントザンはなんだか固そうな物質ではあります。リグニンは「高等植物の木化に関与する高分子のフェノール性化合物」だそうです。こちらも固そうです。「木質素」とも呼ばれるそうです。
□名前は「石細胞」ですが、材木の強度を形づくる化学物質によって固くなっているらしい。梨の果肉には微小な大鋸屑(おがくず)がたくさん含まれるのでシャリシャリしている…と考えていいのかな。それにしては旨いのですが。
[ほ]ビタミンBやCが豊富である(×)
■参考資料*1によれば、洋梨にも和梨にもビタミンはほとんど含まれていないそうです。糖度は11~14%程度。100gの水に11g~14gの砂糖を溶かしたぐらいの甘さらしい。健康にかかわる物質では、カリウム(利尿作用がある)、ソルビトール(キシリトールなどと同様の糖アルコール。虫歯の原因にならない甘味)、アスパラギン酸(疲労回復効果がある)などが含まれているそうです。
◆参考*1:HP「ナシ – Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A2%A8
◇*2HP「二十世紀梨のあらまし」
http://www.pref.tottori.jp/shijou/taste/f-information/nashi/part111/index.htm
◇HP「愛宕梨(あたご梨)&鴨梨(ヤーリー)の紹介 -石原果樹園 岡山-」(口絵の参考にさせて頂きました→クレームをいただきましたので、差し替えました。現在の口絵は違うものです)
http://www.ifarm.jp/ne/hinshu.html

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この記事へのコメント

石原果樹園 石原直樹
2008年09月11日 12:59
ご参考になさって頂くのは嬉しい事ですが、写真を勝手に加工したり、利用する事は著作権の侵害です。
事前に一言あってしかるべきだと思います。
石原果樹園 石原直樹様<素町人
2008年09月11日 13:51
コメントをありがとうございます。

もうしわけありませんでした。
さっそく、取り下げます。
m(_ _)m

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