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zoom RSS 漢検1級の書き取り問題。「オトガイ」という漢字。ピーマン宇治原なら書けるかな?

<<   作成日時 : 2008/07/07 06:43   >>

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★日本語★
問題:漢検1級程度の書き取りです。次の諺・慣用句のカタカナ部分を漢字に直してください。ピーマン宇治原(うじはら)君と同じぐらいに漢字を知らないと出来ないかもしれません。頑張られたし。
[い]「カンシンの股くぐり」のカンシン
[ろ]「オトガイが落ちる」のオトガイ
[は]「危うきことルイランの如し」のルイラン
[に]「イッポウの争い」のイッポウ
[ほ]「ベツ、人を食わんとして却(かえ)って人に食わる」のベツ

(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照
説明:[い]「カンシンの股くぐり」のカンシンは韓信と書く
■韓信は紀元前3〜2世紀に活躍した中国の知将・名将です。万里の長城を建設した秦(しん)建設が、創業者始皇帝の没後にたちまち経営危機、会社更生法の適用を受けます。実業界は麻の如く乱れます。項羽(こうう)、劉邦(りゅうほう)というベンチャーの旗手が活躍した時代ですね。同時代の風雲児が韓信です。
□フリーターだったころ、町のチンピラに因縁をつけられ、俺の股をくぐれと言われます。武器を帯びていた韓信には一瞬の殺意が芽生えます。でも大望ある身です。なんとか堪え、ホントに股をくぐります。人々をそれを見て嘲笑(あざわら)いますが、それにも堪えます。
□やがて項羽商事に就職します。企画が採用されないことに不満を抱きます。ライバル企業の劉邦商会に転職します。ここでも冷遇されます。でも、ひょんなことから出世の糸口を掴みます。あとはトントン拍子で、将軍・参謀として大車輪の活躍を見せます。ついには、項羽商事の社長を自殺に追い込むまでに叩きのめします。最後には一国の主となり、劉邦社長から代表権を奪おうとするまでになりますが、劉邦の手下の奸計(かんけい)にやぶれ、あえない最期を遂げます。
□国士無双(こくしむそう)、背水の陣(はいすいのじん)、将に将たる者(しょうにしょうたるもの)などなど、さまざまな慣用句の生みの親でもあります。逸話の塊みたいな人のようです*3。
[ろ]「オトガイが落ちる」のオトガイはと書く
■「頤が落ちる」とは「寒さに震える」ことだそうです。「ほっぺたが落ちる」とはだいぶ異なります。
□「頤」という漢字は、「やしなう、あご」という字訓があるとのこと*2。同じ顔の部品でも、「あご」と呼べば即物的です。「おとがい」は妙に色気があります。
□有島武郎(ありしまたけお)の小説「或る女」には、次のような一節があるらしい。「なんともいえない媚びをつつむおとがいが二重になって、きれいな歯並みが笑いのさざ波のように口びるの汀(みぎわ)に寄せたり返したりした」。
□昔は肺結核で多くの人が亡くなっています。痩せているだけで死に近いと思われたそうです。二重顎はすなわち健康であり、好印象の源泉になるわけですね。
□今は、美容上、健康上の理由から、二重顎は忌避されます。「なんともいえない皮下脂肪を蓄えた顎が二重になって…」と書かれてしまいそうです。昨今の痩身信仰は異常かもしれませんけど。
[は]「危うきことルイランの如し」のルイランは累卵と書く
■「累卵」の「累」は「かさねる、しばる、わずらわす、わざわい」という字訓があります*2。卵を重ねようとすると、必ずや上の卵は落ちて割れるでしょう。破綻が見えている危ない状況を「累卵之危(ルイランノキ)」とか「累卵」といいます*4。
□三遊亭円朝の怪談話「真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)」にも使われる漢字です。お話の中では「累」は「るい」という名前だそうです。でも、先に亡くなった身体障害の子、助(すけ)に生き写しなので、人々は助が重ねて生まれてきたのだと噂し、「かさね」と呼んだそうです。ちなみに助は親の手により川に投げ込まれて殺されたらしい*5。去年だったか秋田方面で、そんな怪談じみた人殺しがありましたね。
[に]「イッポウの争い」のイッポウは鷸蚌と書く
■「鷸蚌」の「鷸」はシギという鳥のことだそうです。「蚌」はハマグリの意らしい。カラス貝の一種としているHPもありました*6。シギが二枚貝を食べようとすると、貝は貝柱に渾身の力を込め、嘴(くちばし)を挟み込みます。どちらも動けないでいると漁夫があらわれ、「漁夫の利」を得るわけですね。
[ほ]「ベツ、人を食わんとして却(かえ)って人に食わる」のベツはと書く
■「鼈」という漢字は、音読みでは「ベツ」、訓読みでは「すっぽん、みのがめ」だそうです*2。「鼈甲(べっこう)の装身具」の「鼈」でもあります。
□問題文の意味は、「自分の力も考えないで人を害しようとして、かえって自分が災いを受けること」だそうです。鼈(すっぽん)は首を伸ばし、鋭い歯で人に食いつこうとします。でも、結局人に捕えられ、生きながらバラバラにされ、鍋の中に放り込まれます。コラーゲンの美容作用が狙いか、亜鉛の強精作用が狙いかは知りませんが、食欲以外の欲をも満たそうとする男女の胃袋に納まります。
□京都の話です。水上勉(みずかみつとむ)の小説「五番町夕霧楼(ごばんちょうゆうぎりろう)」でも知られる昔の遊郭の入り口近辺に、大市(だいいち)という著名な鼈(すっぽん)料理屋があります。未成年のころ、素町人はここに新聞を朝晩放り込んでいました。志賀直哉(しがなおや)の小説「暗夜行路(あんやこうろ)」にも登場する老舗だそうです。興味を覚えて「暗夜行路」を読んでみると、ほんのちょっとだけ触れられていたと記憶します。なぜこの場所にこの料理屋なのか。わかったのは、配達をやめてだいぶたってからでした。我ながら鈍かったと意味もなく残念に思いました。
◆参考*1:書籍「本試験型 漢字検定 1級試験問題集 ’09年版」成美堂出版
◇辞書「字源」簡野道明、角川書店
◇辞書*2「字通」白川静、平凡社
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林
◇*3HP「韓信 – Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%93%E4%BF%A1
◇*4HP「四文字熟語の問題です。「才子多病」とはどんな意味?」
http://blog.q-q.jp/200702/article_94.html
◇*5HP「累ヶ淵 – Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%AF%E3%83%B6%E6%B7%B5
◇*6HP「鷸蚌の争い」
http://www.geocities.jp/hitatidaigo/itubou.html

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