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zoom RSS ユーモアあふれる狂歌の問題。嘘にも離れて欲しい神様とは誰なの?

<<   作成日時 : 2008/06/11 06:43   >>

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★日本語★
問題:江戸狂歌は機知、頓知のきいた作品が多く、なかなか楽しめます。ただし、背景を知らないと滑稽味が薄まります。そのため、いまでは限られた人だけが鑑賞するマニアックな趣味になっているようです。
●では、本日は江戸狂歌に親しむ小さな練習をしましょう。次の5首の狂歌の○に入る文字あるいは句を埋めて下さい。
[い]「親も無し 妻無し子無し 板木無し 金も無けれど ○○○○○○○」 (漢字仮名まじり7文字)
[ろ]「永代と 言われし○が 落ちにけり 今日の祭礼 明日の葬礼」 (漢字1字)
[は]「具足より 利息にこまる 裸武者 すね当てよりも お○○○がいい」 (漢字仮名まじり3文字)
[に]「偽りの ある世なりけり 神無月 ○○○は 身をも離れぬ」 (漢字3文字)
[ほ]「いつ見ても さて○○○と 口々に ほめそやさるる 年ぞくやしき」 (漢字仮名まじり3文字)
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照
説明:●[い]「親も無し 妻無し子無し 板木無し 金も無けれど ○○○○○○○」の○○○○○○○には死にたくもなしが入る
この歌は、林子平(はやししへい)の作品だそうです。林氏は、高山彦九郎(たかやまひこくろう)、蒲生君平(がもうくんぺい)とともに寛政の三奇人と呼ばれました*9。
○「三国通覧図説(さんごくつうらんずせつ)」、「海国兵談(かいこくへいだん)」などの著作をあらわし、国防の必要性を強く主張しました。寛政3(1791)年、幕府によって禁書とされ、板木(はんぎ、印刷の元になる版下)が没収されたそうです。この狂歌はその直後のものかな。
○死にたくなかった林氏ですが、寛政5年6月21日、西暦では1793年7月28日。失意のままに亡くなりました。享年54。国を憂えた賢人のご冥福をお祈り申し上げます。
●[ろ]「永代と 言われし○が 落ちにけり 今日の祭礼 明日の葬礼」の○にはが入る
文化4(1807)年8月19日。深川富ヶ岡八幡宮の久しぶりの祭礼に群衆がつめかけ、重さを支えきれなくなった永代橋(えいたいばし)が落ちます。多数の死者が出た模様*3*4。ちなみに落語の「永代橋」も、この事故を取り上げたものです。
○永代橋は東京の都心に近い橋です。吉良上野介の首を掲げた赤穂浪士たちが引き上げてきた際に渡った橋でもあるそうです。この狂歌は橋の崩落を受けたものでしょう。作者は蜀山人(しょくさんじん)。またの筆名を四方赤良(よものあから)、寝惚先生(ねぼけせんせい)、山手馬鹿人(やまてのばかひと)、大田南畝(おおたなんぽ)等々。ふだんは大田直次郎と呼ばれる幕臣だそうです。数ある江戸狂歌師の中でも、いちばんの名人と言われる人物です*5*6。
●[は]「具足より 利息にこまる 裸武者 すね当てよりも お○○○がいい」の○○○には手当てが入る
江戸時代は、時代が進むにつれ武士の生活が苦しくなっていったようです。やむを得ず、持ち物をどんどん売り飛ばし、質入れしては流します。具足(ぐそく)とは鎧(よろい)や兜(かぶと)のことらしい。もう手元にはありません。もし戦さがあれば、裸で行かねばならないような情けない武士です。
○この狂歌は詠み人知らず。落首だそうです。同様の落首に、「御旗本 次第にこまる へぼ将棋 みな歩ばかりで 金銀はなし」というのもあるらしい。
●[に]「偽りの ある世なりけり 神無月 ○○○は 身をも離れぬ」の○○○には貧乏神が入る
11月は神無月(かんなづき)と呼ばれます。全国の神様がこぞって出雲に集り、ミーティングをしています。出雲以外の土地では神が無いはずです。ところがなぜか我が身にとりついた貧乏神だけは、出雲にも出かけず、災いをふりまいています。神無月なのになんだよ、と愚痴っている狂歌ですね。
○作者は雄長老(ゆうちょうろう)という学者であり僧侶です。建仁寺(けんにんじ)の住持もつとめたらしい。慶長7(1602)年に亡くなっています。近世狂歌の祖と言われているそうです。江戸時代からはちょっとはずれるかもしれませんが、大目に見てください。
○なお、雄長老の母親は細川幽斎(ほそかわゆうさい)の妹だそうです。ということは細川ガラシャ夫人(細川幽斎の息子忠興(ただおき)の嫁、明智光秀(あけちみつひで)の娘)や明智光秀自身とも遠い親戚なのかな*7*8。
●[ほ]「いつ見ても さて○○○と 口々に ほめそやさるる 年ぞくやしき」の括弧にはお若いが入る
歌は単純ですね。ただし、この気持ちがホントにわかるのは、実際に「お若いですね」というお世辞を耳にするようになってから。若い人には、なかなか理解しにくい歌かもしれません。
○作者は朱楽菅江(あけらかんこう)。本名を山崎景貫(やまざきかげつら)という幕臣だそうです。カミサンも節松嫁々(ふしまつなかか、不始末なかか?)という号で狂歌を詠んだらしい。
○仲間の蜀山人こと大田直次郎などともに、天明狂歌の代表的人物とのこと。ちなみに天明とは、西暦では1780年代です。江戸時代の中盤の最後のほうですね。
◆参考*1:書籍「江戸狂歌125選」長生馬齢著、ISBN978-4-7500-0308-5、愛育社(発売)
◇*2HP「林子平 – Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%97%E5%AD%90%E5%B9%B3
◇*3HP「江戸後期に起きた大惨事とはなに?」
http://blog.q-q.jp/200511/article_112.html
◇*4CD「圓生落語百席3『永代橋』」六代目三遊亭圓生、SRCL-3805/6、ソニー・ミュージックレコーズ
◇*5HP「大田南畝 – Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9C%80%E5%B1%B1%E4%BA%BA
◇*6HP「狂歌の天才、蜀山人の本名は?」
http://blog.q-q.jp/200601/article_1.html
◇*7HP「戦国武将にして歌道の達人、細川幽斎が九死に一生を得た理由とは?」
http://blog.q-q.jp/200610/article_58.html
◇*8HP「朱楽菅江 – Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%B1%E6%A5%BD%E8%8F%85%E6%B1%9F
◇*9HP「寛政の三奇人とはだれ?」
http://blog.q-q.jp/200512/article_46.html

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