007や特殊部隊が使うサイレンサー。ペットボトルでも代用できるの?

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★科学★
問題:サイレンサーという装置をご存じでしょうか。ピストルやライフル、マシンガンなどの銃口付近に装着し、銃の発射音を消す装置です。こっそり人を殺すときにはなかなか有効なものらしい。ジェームス・ボンド氏も愛用しているようです。
●では、サイレンサーについての雑学です。次のうちで正しい記述はどれでしょうか?
[い]サイレンサーは音速を超える速さの弾丸には効果が低い
[ろ]サイレンサーはリボルバーでいちばん威力を発揮する
[は]ペットボトルを銃口に当ててもサイレンサーの代用になる
[に]水や油を使う湿式サイレンサーが最新式である
[ほ]映画で見るように、サイレンサー付きの銃で撃つとプシュッという音がする
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[い]と[は]、[に]が正しい
説明:●[い]サイレンサーは音速を超える速さの弾丸には効果が低い(○)
銃の発射で生まれる音にはふたつの音源があるそうです。ひとつは薬莢の中で火薬が爆発し、膨張したガスが銃口から吹き出すときの衝撃で生まれる音とのこと。もうひとつは、音速を超える弾丸が作る衝撃波だそうです。サイレンサーで消せるのは前者だけらしい。
○ご存じのように空気中の音速は気温や気圧によって少しかわります。1気圧で摂氏15度では340m/秒ぐらいとのこと。小さな口径の拳銃ですと、これより低い速度のものもあるそうです。この場合は音源はガスだけです。サイレンサーが有効らしい。標準的なライフル銃では初速840m/秒などというものもあるとのこと。こちらの場合は、ガスの吹き出し音だけ消してもあまり意味がないらしい。
●[ろ]サイレンサーはリボルバーでいちばん威力を発揮する(×)
正しくは「…リボルバーでは使っても効果が小さい」だそうです。リボルバーというのは回転式の弾倉を備えた銃です。ダーティー・ハリーことハリー・キャラハン刑事が使っているマグナム45とか、西部劇でよく見かけるコルトSAAピースメーカーなどがその代表的な製品です。
○回転式の弾倉では、爆発後のガスの95%は銃口から出ます。残りの5%は銃身と回転弾倉の隙間から漏れるそうです。当然、そこから音が逃げます。サイレンサーの意味が薄れるらしい。
●[は]ペットボトルを銃口に当ててもサイレンサーの代用になる(○)
銃口から吹き出すガスの勢いをそぐことが静穏化の秘訣だそうです。からのペットボトルを銃身に接続すると、銃口から吹き出したガスがボトル内にほとんどとどまります。で、音が小さくなるそうです。何発か撃つと底が抜けて効果がなくなるのが欠点らしい。
●[に]水や油を使う湿式サイレンサーが最新式である(○)
薬莢内の火薬の爆発で生じたガスは高い熱を持っています。これを冷却してやるとガスが縮み、音が小さくなるらしい。最新式のサイレンサーでは、装置内に水や油を貯め込み、ガスの熱を液体が奪うようにした仕組みもあるとのこと。かなり効果が高いそうです。
●[ほ]映画で見るように、サイレンサー付きの銃で撃つとプシュッという音がする(×)
映画はサイレンサーに対する誤解を振りまいていると参考資料*1は言っています。まずサイズです。実際のサイレンサーは007の装置よりもずっと大型だそうです。葉巻みたいな太さでは、ガスを逃がすにしろ、熱を奪うにしろ、高い効果はのぞめないとのこと。
○もうひとつの大きな誤解は音だそうです。本物のサイレンサーは「くぐもったバンッ」という音、あるいはクルマのドアをバタンと閉めたときのような音を発するそうです。
○おまけにもうひとつ誤解を解くとすれば、サイレンサーは軍隊やスパイ、警察が使う事例はごくわずかとのこと。大部分は狩猟やスポーツライフルを行なう人が買っているそうです。騒音を防ぎ、近隣からの苦情を防ぐという大切な役割があるらしい。
◆参考*1:書籍「つかぬことをうかがいますが…2」文庫初版45~50頁、ニュー・サイエンティスト編集部編、金子浩訳、早川書房
◇HP「銀玉鉄砲(サイレンサー付き)+箱入り銀玉【デッドストック品】:「昭和レトロ倶楽部」-昭和レトログッズ・食玩・懐かしいアニメ、特撮・玩具・駄菓子」(口絵の参考にさせて頂きました)
http://retro-club.com/gindama-l.html

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この記事へのコメント

2008年04月15日 21:06
サイレンサー無しに消音出来るそうです。
人体にピタリとつけて撃つと良いそうです。
特にメタボは1番。
仙崖もどき様<素町人
2008年04月15日 23:16
コメントをありがとうございます。

 仙崖もどきさんはユーモアを忘れないのがモットーとのこと。
 サイレンサー無しでの消音のお話は、ブラックユーモアでしょうか。
(^^;)
 「人体にピタリと」式は、なんとなく消音になりそうな気がします。でも目標に密着できる状況じゃないと駄目か。かつ、リボルバーだと駄目だし。条件はかなり厳しいですね。
(^^;)
コーラもどき
2011年11月29日 22:40
正式にはサイレンサー(消音器)ではなくサプレッサー(減衰器)です。
コーラもどき様<素町人
2011年12月09日 23:21
コメントをありがとうございます。
通りすがり
2013年12月20日 23:15
2007年の記事にコメント失礼します。

>薬莢内の火薬の爆発で生じたガスは高い熱を持っています。これを冷却してやるとガスが縮み、音が小さくなるらしい。
工学部機械基礎熱出身で、熱・音響は趣味でやってます。
液体の冷却効果は有るはずですが、質量の効果が殆どだと思います。
通りすがり様<素町人
2013年12月21日 00:22
コメントをありがとうございます。

 「冷却効果よりも質量の効果」というご指摘をありがとうございます。
 まことに残念なことに、小生は文学部落語科出身で、ご指摘の当否については判断いたしかねます。せっかくのご意見も猫に小判でして、申し訳ない。
m(_ _)m

 小生が引用したおおもとの「ニュー・サイエンティスト」という雑誌では、読者の意見を募集しているようです。もし興味がおありでしたら、そちらに投稿されてみてはいかがでしょうか。
(^^;)

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