フランスパンが人を殺せるほど硬くなるのはなぜ?

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★科学★
問題:推理小説にはさまざまな凶器が登場します。冷凍マグロで撲殺して溶かして食べるとか、つららで刺殺して溶かして流すというのもありました。幸か不幸か、現実の殺人には、あまり創造力に富んだものは見当たらないようですが。
●ほったらかしておくとカチカチに硬くなるフランスパンは、撲殺の武器として使えるかもしれません。殴って殺したあと、焼いて食べてしまいましょう。凶器は分解されあなたの身体の中でエネルギーとして燃やされるでしょう。わずかに残った証拠のカスもトイレでジャーと流すことができます。下水まで流れ込んだカスでしたら「科捜研の女」でも「CSI」でも凶器の残骸とは確認できないかも。
●フランスパンは一晩置くと硬くなります。でも、似たような材料、製法で作られたクッキーは、ほったらかしておくと湿ってまずくなります。柔らかくなり、凶器としては失格です。これはなぜでしょうか?
[い]イースト菌で発酵させるかどうかが関係している
[ろ]利用する小麦粉の種類が異なることが関係している
[は]塩分の量が異なることが関係している
[に]砂糖の量が異なることが関係している
[ほ]窯の中で焼く温度の違いが関係している
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)


























正解:[に]砂糖の量が異なることが関係している
説明:ある中学生が「料理は科学か」という主題の理科コンテストで実験したそうです。3種類のビスケットを準備します。ひとつには砂糖(グラニュー糖)が混ぜられています。もうひとつには蜂蜜が混ぜられています。もうひとつには甘味料はいっさい混ぜません。おなじ場所に一晩放置した結果を測定したらしい。
---グラニュー糖を含んだビスケットは1.23g増
---蜂蜜を含んだビスケットは2.03g重さが減
---甘味料を含まないビスケットは2.17g重さが減
蜂蜜と甘味なしのビスケットは乾燥したのかな。
●残念ながら実験材料の元の重さは記述されていませんでした。でも、グラニュー糖を含んだビスケットだけ重さが増えたのは間違いないようです。重さが増える原因は水分だそうです。白い砂糖には吸湿性があるらしい。ビスケットが水を含むと柔らかくなるのは想像にかたくありません。
●余談ですが、この実験結果を見ると、なんとなく蜂蜜はダイエットに効果がありそうな気分になります。でも、当然ながら、この実験ではそんなことはわかりません。
●なお、フランスパンが異様に硬くなるのは、成分であるデンプンの80%を占めているアミロペクチンが関係しているそうです。焼きたてのときは、アミロペクチン分子が水分によって隔てられているそうです。パンが古くなり、水分が失われるとアミロペクチン分子は接近して規則正しく並ぶらしい。炭素原子もデンプンの分子も規則正しく並ぶと硬度が高くなるのかな。
●アミロペクチン分子どうしが接近して整列する速さは温度に影響されるらしい。氷点下では遅くなり、零度をやや上回った温度だと速くなるそうです。冷蔵庫内の温度(7度前後)でも30度でも変わらないそうです。パンを冷凍室に入れるのは意味があるけれど、冷蔵室に入れても無意味というのは、そんな理由によるらしい。
◆参考*1:書籍「つかぬことをうかがいますが…2」文庫初版279~282頁、ニュー・サイエンティスト編集部編、金子浩訳、早川書房
◇HP「☆ パティリエ ☆: フランスパン&チーズクーペ」(口絵の参考にさせて頂きました)
http://lovelovelife2525.seesaa.net/article/12576126.html

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