銅像を自分と似せないように依頼した大富豪とは?

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問題:●明治時代の大富豪に大倉喜八郎という人物がいます。天保8(1837)年に生まれ、昭和3(1928)年迄生きました*1。政商として活躍しました。日本一格式が高いと言われるホテルオークラは彼の財閥が創業したそうです。
●彼は破天荒な人生を歩んだ人だそうです。考え方も一般からはかけはなれていました。たとえば晩年、銅像を制作することになったそうです。作家が似せようとして苦心していることを知ると、「似せる必要は全然無い。いい男にしてくれればいい。だって銅像は何十年先にも見られるんだろう。そのころ、俺のことを知っている奴なんかいないじゃないか。似ているかどうかは問題じゃない。いい男のほうが面白いじゃないか」という意味のことを申し伝えたそうです。
●上野の西郷さんの銅像は高村光雲(たかむら こううん)の作品らしい。除幕式に立ち会った未亡人は、作家もいたでしょうに「似ていない」と率直な感想を述べたようです*2。不満があったのかな。銅像の写実性に対する意識は、人それぞれのようですね。
●似た話が宮中にもあります。紫衣(しえ)事件の朝廷側の当事者、後水尾(ごみずのお)天皇という人です。江戸時代の初めごろに在位されました。母親の肖像画をいくとおりか描かせ、いちばん美しいのを選んだとか。似ていないという声に「百年も経ったら誰も知らないんだから美人のほうがいい」という意味のことをのたまわったとのこと。
●閑話休題。本日は民間の奇人、大倉喜八郎についての雑学クイズです。次のうち正しい記述はどれでしょうか?
[い]鉄砲屋で大儲けした。維新のときには、徳川側、新政府側の双方に売った
[ろ]彰義隊に拉致されたことがあるが、鉄砲100挺を売って、帰りは彰義隊隊士の護衛付きで帰ってきた
[は]日本で初めて私費で洋行した商人である
[に]76歳のときに妾に子供を産ませている
[ほ]大正13(1924)年に88歳の祝宴を張ったが贅沢すぎて顰蹙を買った
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)


























正解:[い]と[は]、[ほ]が正しい
説明:●[い]鉄砲屋で大儲けした。維新のときには、徳川側、新政府側の双方に売った(○)
元々は乾物屋だった大倉喜八郎は、維新が近づいて不穏な空気を察します。必ず戦争が起きると踏むと一か八か鉄砲を売る商売を始めます。慶応2(1866)年、ちょうど第二次長州征伐が起きます。各藩から鉄砲の注文が殺到したそうです。
●[ろ]彰義隊に拉致されたことがあるが、鉄砲100挺を売って、帰りは彰義隊隊士の護衛付きで帰ってきた(×)
正しくは「…鉄砲300挺を売って…」だそうです。彰義隊に捕まったのは、鉄砲の販売を拒否したかららしい。「自分たち商人には徳川、新政府のどちらが正しいかなどはわからない。現金で支払う客に対して売るだけだ。彰義隊に売らないのではない。代金を払わない者に売らないだけだ。自分たちは横浜の外人商人に対して現金で払う。だから現金以外では売れないのだ」。彰義隊の幹部に対してこのように言ったらしい。幹部はもっともだと納得して300挺分の現金を渡したそうです。
○ただし、この話は、初期の自伝には書かれていないらしい。ひょっとした後年の作り話かもしれません。
●[は]日本で初めて私費で洋行した商人である(○)
お得意様となった彰義隊を含め、戊辰戦争でだいぶ儲けたんでしょうね。通訳をつけ、私費で洋行しました。ロンドンで大久保利通、伊藤博文などの政府派遣使節団と会った彼は以後一緒に行動します。このときに政府の幹部にコネをつけ、日清、日露戦争でも政商としてガッポリ儲けることになります。
●[に]76歳のときに妾に子供を産ませている(×)
正しくは「86歳のときに…」だそうです。天晴れですね。それとも誰か別の人がこっそり水鉄砲を撃っていたのかな。そうだとすれば喜劇ですね。あまりの元気さに、「自分は100歳まで生きる」と言っていたらしい。実際には90歳と6ヶ月ほどで亡くなったようです。
●[ほ]大正13(1924)年に88歳の祝宴を張ったが贅沢すぎて顰蹙を買った(○)
当時300万円もかけて米寿の祝宴を張ったそうです。でも、なにしろ関東大震災の翌年です。タイミングが悪すぎました。富豪仲間の岩崎家では関東大震災見舞いに500万円を支出したそうです。ところが大倉家は100万円しか出しませんでした。それで評判を落としているところに贅沢な祝宴です。だいぶ悪口を言われたそうです。
◆参考:HP「大倉財閥 – Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%80%89%E8%B2%A1%E9%96%A5
◇*2:HP「上野の西郷さんの銅像は本人に全然似ていない?」
http://blog.q-q.jp/200704/article_6.html
◇*3書籍「日本奇人・稀人事典」初版64~70頁、祖田浩一編、東京堂出版
◇HP「www.oxfordtravels.com coming soon!」(口絵の参考にさせて頂きました)
http://www.oxfordtravels.com/asia/japan/tokyo/hotelokuratokyo/gifs/hotelview.jpg

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