「三方一両損(さんぼういちりょうそん)」という言葉の意味は?

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問題:●「三方一両損」という言葉があります。もともとは字面どおり、「三方の者が一両ずつ損をする」という意味です。転じて、妥協するとか折り合うという意味に使われる場合もあります。
●この言葉の由来になった伝統芸能は次のどれでしょうか?
[い]歌舞伎
[ろ]狂言
[は]浪曲
[に]落語
[ほ]浄瑠璃(義太夫)
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)


























正解:[に]落語
説明:●そもそもは講談のネタだそうです。浪曲にもありそうですが、聞いたことはありません。
●「大工の吉五郎が落とした三両の金を、左官の金太郎が拾って届けたが、吉五郎が受け取らないので大岡越前が一両足して両人に二両ずつほうびを与え、三者が一両損と裁く」…この見事な要約は日本国語大辞典のものです。
●大工も左官も江戸っ子気質で、「礼金が目当てで届けたわけじゃねぇ」、「落とした金はもう俺の金じゃねぇ」と強情を張るわけです。どちらにせよ律儀者に違いない。大岡は宙に浮きかけた三両に一両のゴホウビを足して四両とし、二人で分けさせるというわけです。
●大工は元々あった三両がゴホウビの二両になる。左官は拾得した三両の金がゴホウビの二両になる。大岡はゴホウビのために懐から一両を出費する。全員が少しずつ損をするのだから、不満を言わずに丸くおさめようという話です。
●江戸時代の人は、こうした意地を張るのが好きなようです。庶民だけでなく、武士階級の者も意地を張ります。落語「井戸の茶碗」では、売った仏像の中に隠されていた五〇両を若い侍と浪人中の年配の侍が押し付け合います。ようやく決着がついたと思ったら今度は高価な井戸茶碗を押し付け合います。あいだに入ってクズ屋さんが難儀しますが、最後にはめでたく収まるという話ですね。
●落語は東西で共通したネタが多くあります。「三枚起請」とか「らくだ」はタイトルも共通です。中身は似ているけど、タイトルが異なるネタもあります。東で「大山詣り」は西で「百人坊主」です。「長屋の花見」は「貧乏花見」。「野ざらし」は「骨釣り」。他にもいろいろあります。
●「三方一両損」だけは、上方落語にはならないかもしれません。「三両拾うた? そりゃうまいことやったなぁ」といわれるのがオチです。「落とし主に届ける? アホや」と言われたら、話が続きません。善し悪しの問題ではなく、それだけ人情や文化が異なるのでしょう。
●ちなみに「井戸の茶碗」は上方落語にもあるようです。主人公が侍なので違和感がないのでしょうか。
◆参考*1:日本国語大辞典(小学館)
◇CD「落語教養高座 江戸大百科23『強情灸/三方一両損/酢豆腐』」五代目古今亭志ん生他、KICH 3123、キングレコード
◇CD「『井戸の茶碗』」五代目古今亭志ん生、POCN1127、ポリドール
◇HP「(なぜかページが表示できません)」(口絵の参考にさせて頂きました)
http://www.tim.hi-ho.ne.jp/midnet/tougei/macya/k5.html

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桂小金治(1)「三方一両損」「禁酒番屋」
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