JASRACが改変版「おふくろさん」で警告。ところで著作物の改変事件は初めて?

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問題:「改変『おふくろさん』に異例の注意 作詞家の通知で著作権協会」(MSN Mainichi Interactive 070307)
http://www.sankei.co.jp/culture/enterme/070307/ent070307002.htm
川内康範氏と森進一氏の問題について日本音楽著作権協会(JASRAC)という団体がHPに注意書きを掲載したそうです。この団体は音楽著作権の管理を商売にしているらしい。覗いてみると、「…改変されたバージョンをご利用になりますと、川内氏の有する同一性保持権の侵害その他の法的責任が生じるおそれがあります」と書かれています*1。飲み屋で森進一氏の「おふくろさん」の語り部分を聴いていたら、JASRACに訴えられるのかな。
●ではここで著作権についてのクイズです。次のうち正しい記述はどれでしょうか?
□[い]作品の改変は著作者人格権の侵害にあたる
□[ろ]作品の改変について問題が生じたのは今回が初めてである
□[は]日本音楽著作権協会は音楽著作権の管理業務を行なう日本で唯一の団体である
□[に]イギリスで著作権が世界で初めて制定されたときは、作者の死後14年まで保護されるという規定だった
□[ほ]現在、歌の歌詞については作詞家の死後40年で権利が失われる
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)


























正解:[い]と[に]が正しい
説明:●[い]作品の改変は著作者人格権の侵害にあたる(○)
大きくみると、著作権は著作者人格権と著作財産権のふたつに分けられるそうです。著作者人格権も氏名表示権と同一性保持権のふたつに分けられるとのこと。作品の同一性保持権とは「意に添わない改変を受けない権利」だそうです。川内康範氏が杖と一緒に振り回しているのはこの権利らしい。
●[ろ]作品の改変について問題が生じたのは今回が初めてである(×)
同一性保持権については、以前にも裁判が起きているようです。ある事例では、ち密な恐竜のイラストを描くイラストレーターが、作品の管理会社を訴えています。作品をカタログ等に使う際にイラストの価値を損ねるような修正が加えられていたとのこと。管理会社は作品の使用者に対し、同一性保持についてきちんと伝える注意義務があるという判断らしい。この裁判では、イラストレーター側が勝訴した模様です*3。
●[は]日本音楽著作権協会は音楽著作権の管理業務を行なう日本で唯一の団体である(×)
平成13(2001)年以前はそうだったらしい。この年に著作権等管理事業法という法律が施行され、民間企業も音楽著作権管理事業に参入できるようになったそうです。イーライセンスとかダイキサウンドといった会社が商売を始めているとのこと*2。
○ちなみに、日本音楽著作権協会はなかなか面白い噂のある団体のようです。「週刊ダイヤモンド」は、「<企業レポート>日本音楽著作権協会(ジャスラック)/使用料1000億円の巨大利権 音楽を食い物にする呆れた実態」という記事で批判したらしい。JASRAC側は名誉毀損として損害賠償を求めて係争中だとか。読みたくなる記事ですね*2。
●[に]イギリスで著作権が世界で初めて制定されたときは、作者の死後14年まで保護されるという規定だった(○)
著作権は英国で誕生したようです。宝永6年(1709)にアン女王の法律で著作権が認められたとのこと。このとき有効期限は作者の死後14年とされたらしい。ただし、1回更新可能で最長28年だそうです*2。
●[ほ]現在、歌の歌詞については作詞家の死後40年で権利が失われる(×)
正しくは「作詞家の死後50年」だそうです。川内先生はあんなにお元気だし、107歳まで(現在87歳)生きるでしょう。計算すると2077年以降は「おふくろさん」をタダで歌えることになります。
この話題を前回取り上げたときに、「森進一についていい話を聞かない」とする方がおいでになりました。素町人はわずかに聞いたことがあります。金大中事件があった昭和48(1973)年の夏、素町人は友人と一緒に博多中州のサパークラブでアルバイトをしていました。ここには「ジョニィへの伝言」や「五番街のマリーへ」で知られるペドロ&カプリシャスなども出演していたとのこと。地元ではけっこう知られた店だったようです。そこに集まっていたホステスさんたちの思い出では、森進一氏は「腰が低く、気配りのある好青年」という評価で一致しておりました。駆け出しの森進一氏は、そのサパークラブや周辺のナイトクラブで仕事をしていたようです。まっ、伝聞証拠ですけどね。(^^;)
◆参考*1:HP「「おふくろさん」のご利用について」
http://www.jasrac.or.jp/release/07/03_2.html
◇*2HP「著作権 – Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%97%E4%BD%9C%E6%A8%A9
◇*3新聞「ち密なイラスト、修整はダメ 作品管理会社に35万支払い命令/東京地裁 」読売新聞981027東京朝刊34頁
◇*4HP「86歳の怒り大爆発。川内康範氏を止める人はいないのか? 」
http://blog.q-q.jp/200702/article_70.html

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この記事へのコメント

sadakun_d
2007年03月08日 18:39
著作権問題の「おふくろさん」その前ふりの台詞は違う作詞家の作詞になっていたような(週刊誌には名前掲載)

前ふりの台詞も川内さんに依頼したらよかったんだろうに。
「おふくろさん。いつも迷惑ばかりかけてごめんね」

森進一は転職17回。18回が歌手。さて19回はなんでしょうか。
sadakun_d2
2007年03月08日 18:44
著作権か商標権か知らないが「ウルトラマンのカラータイマー訴訟」も有名。

デザイナー成田亨がウルトラマンをデザインして円谷プロに渡す。「これがウルトラマンだあ」
渡された円谷プロはウルトラマンにポチョンと胸にカラータイマー青をつけた。

これが成田亨頭に来た来た!訴訟まで起こして「あれを取れ、カラータイマーを外せ」

はたから見たらわけわからない訴訟です、はい。
sadakun_d様<素町人
2007年03月09日 08:53
コメントと情報をありがとうございます。

 なるほど。ウルトラマンにもそんな話があったのですか。面白いですね。
 
 昨日聞いた話では、政府が歌詞を改変したという例がいくつもあるとのこと。

 たとえば「春の小川」では、冒頭で「♪春の小川はさらさら行くよ」と歌われます。
 原詩では「…さらさら流る」だったとのこと。文語形だし、小学生には難しかろうと旧文部省が改変しちゃったらしい。

 童話や昔話も「残酷だから」、「女性蔑視だから」という理由でどんどん改変されているらしい。著作権者がわからない物語はとくに安易に変えられているようです。
 
 昔話の出版関係者やお役人は他人の著作権について軽く考えているように見えます。自分たちの著作権が侵害されたら大騒ぎするのでしょうけれど。
(^^;)
gonanbou
2007年03月12日 00:00
歌は生きているもの、世に出たからには独自の生き方をします。森進一はこの歌を大切にはぐくみ育ては。彼のおふくろさんへの心のほとばしりがあのセリフになり、聞く人にまた新たな感動を与えた。其れがだめだと言う思い上がりの作詞家は歌心がわかるまい。年寄りの世迷言だよ。
gonanbou様<素町人
2007年03月12日 06:16
コメントをありがとうございます。

 森進一は、おふくろさんは歌わないと宣言しているようです。
 結局、2人の喧嘩で被害を受けたのは、ファンだったということらしい。
 川内先生も森進一も損な役回りで、マスコミだけが、ネタにして少し稼いだという話でしたね。
(^^;)

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