一部業界では生き残っている瀕死語の問題です。「うすどろ」ってなに?

問題:●昔は一般の人もよく知っていた言葉ですが、近ごろはごく一部のみに生き残る言葉です。「うすどろ」とはどんな意味でしょうか?
□すこしゆっくりしている人を呼ぶ言葉。「うすのろ」と同じ蔑称
□歌舞伎や落語、講談などで用いられる舞台演出
□少額の物品を盗む泥棒。「こそどろ」と同意
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)
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正解:歌舞伎や落語、講談などで用いられる舞台演出

(「うすどろ」の例が聴けます。無断引用御了見可有)
説明:●漢字では「薄どろ」と書くそうです。辞書を引くと、「大太鼓を長いばちで弱く小刻みに打つ鳴り物」とあります。幽霊が出てくる場面などで、笛がヒューと鳴り、「うすどろ」が小さく、でも薄気味悪く鳴りだします。
●似たような演出に、「おおどろ」があります。こちらは「大太鼓を長いばちで小刻みに打つ鳴り物」とあります。「薄どろ」との違いは「弱く」という形容の有無ですね。「おおどろ」は、「幽霊・妖怪・神仏などの出現する場面の幕切れや、つなぎに用いる」とあります。
●「薄どろ」の例では、落語の「不動坊」で、不動坊の幽霊が登場して新婚夫婦に「うらめしい」とおどしにかかる場面ですね。「薄どろ」が響きます。その後、お金で話がつき、「では、いくひさしく、おむつまじう…」なんて愛想を言いながら幽霊が帰る場面で「大どろ」が鳴る場合もあります。
◆参考:CD「特選!! 米朝落語全集 第3集『不動坊』」桂米朝、TOCZ5067、東芝EMI
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