自社マンションの前に自社マンションで眺望を損なう。近鉄不動産のやり方は適法?

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問題:「山望むマンション前、同じ業者が超高層…法廷争いに」(YOMIURI ON LINE 060413)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060413it07.htm?from=top
●大阪のミナミ、難波(なんば)という繁華な町があります。
●平成13年(2001)3月、JR難波駅の西側にローレルコート難波という高さ99m、地上28階の高層マンションができました。建てたのは近鉄不動産です。
●交通の便は最高です。パンフレットには「生駒山を間近に望む眺望」、「早起きしたくなる朝の眺めが自慢です」と記されていたらしい。
●当時、駅を挟んで向かい側、JR駅東側の土地は開発前だったとのこと。マンションの購入者は、系列の販売会社側から「あそこには低層商業施設が建つ。眺望は遮られない」と言われたらしい。
●ところが、5年後の今年、低層の建物が建つはずだったJR難波駅の東側に高さ131m地上39階の高層マンションが竣工したそうです。こちらも近鉄不動産です。
●元のマンションから山が見えなくなりました。一部の住民が怒りました。おおそれながらと、訴え出ました。
●近鉄不動産側は、「眺望の変化については事前に承諾をいただいている」と主張しているらしい。どうなるんでしょうか。
●では、ここで問題です。かつて、京都に「二条城が見える」という謳い文句のマンションが予定され、手付金をうった女性がいます。ところが完成してみると、窓の正面に隣接するビルの冷却塔がある。二条城はほとんど見えなかったらしい。女性は契約解除を求めました。販売側は契約違反を理由に手付け金も返さなかったらしい。もちろん女性は訴え出ました。どんな結論が出たでしょうか?
□「市街地の眺望は長期的、独占的に享受できるものとは言い難い」と販売側の勝訴
□「説明と状況が一致しないので契約解除できる」と女性側の勝訴
□「契約は解除できるが手付金は契約書どおりに返還されない」とどちらが勝ったのかわからない結論
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)






























正解:「説明と状況が一致しないので契約解除できる」と女性側の勝訴
説明:●「二条城」の事例では、一審で、「市街地の眺望は長期的、独占的に享受できるものとは言い難い」として、女性側に不利な判決が出たらしい。二審では、正解のような判決が出ました。販売側は上告しましたが、平成12年(2000)に最高裁で棄却され確定したそうです。
●眺望権とか、景観権というのは、とても曖昧です。裁判所も、従来は、「これは行政の仕事」と逃げ腰だったらしい。
●今年3月末に、国立マンション訴訟のひとつに最高裁の判決がでました。ここでは、住民側の主張である建物の違法性については認められませんでした。でも、「景観利益」を初めて最高裁が認定しました。画期的な出来事と言われているらしい。
●でも、「景観利益」は「景観権」というほど強いものではないと判決文には書かれているようです。そのせいか、「違法な景観侵害と認められるのは公序良俗違反の建築物などに限られる」という条件付きとのこと。
●現行憲法に、環境権の考え方が盛り込まれていないのがいけないという人もいます。憲法改正のときに、環境権についての条項を入れるべしという主張があるそうです。
●難波の高層マンションの近鉄不動産に話を戻します。法的に販売側が正しいかどうか、素人にはわかりません。でも、新聞の記述を信ずるとすれば、販売側のやり方はあんまりですよね。人情では、入居者側を応援したくなります。なんの足しにもならないでしょうが、「頑張れ入居者!」とエールを送っておきましょう。
◆参考:HP「ローレルコート難波」
http://www.eonet.ne.jp/~building-pc/oosaka/oo-99ro.htm
◇HP「ローレルタワー難波」
http://www.eonet.ne.jp/~building-pc/oosaka/ooro-reru.htm
◇新聞「『景観利益』最高裁が初認定 行政の規制に限界、保護には厳格基準(解説)」読売新聞060331東京朝刊13頁
◇新聞「マンション眺望『話が違う』 最高裁が契約解除認める 京都の原告女性が勝訴」読売新聞001031大阪夕刊15頁

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この記事へのコメント

2006年04月15日 11:30
似たようなことはあちこちで起こっていそうですね。この判決次第では提訴する人が続出するのでは。
それにしても、同じ会社が問題のマンションを建てるなんて、あつかましいにもほどがありますね。営業マンは売るためには何でも言うでしょうが、パンフレットにも記載されているなら住民が勝ちそうですね。
よくあんなにくっつけて建てるなあとか、あれじゃ前の家にまるきり陽が当たらなくなるじゃん! って心配になるような建て方してるマンションも多いですね~。建築基準法って今のままでいいんだろうか……。
dashi様<素町人
2006年04月15日 13:30
いつもコメントをありがとうございます。
 近鉄不動産もやりかたが下手ですよね。かりにこれが適法と判断されたとしても、イメージダウンは避けられません。
 かなり遠くからも見えるマンションのはず。みんなに指さされて「あれがローレル何とかや。例の近鉄不動産の。えげつない建て方やなぁ」と噂されることになりましょう。
 当分この2棟は立っているはず。今いる社員は定年まで恥をかきっぱなしになります。社員の士気も落ちますよね。
 (^^;)
dokusyosi
2010年06月22日 21:07
マンションの管理組合の問題を取り上げた
本があります。私達の組合では、反面教師
としてまわし読みしました。

「全壊判定」朝日新聞出版
dokusyosi様<素町人
2010年06月23日 07:45
コメントと情報をありがとうございます。
m(_ _)m

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