ホリエモンら証取法違反で起訴。ではこの法律で罰せられる最長の懲役は?

問題:「堀江前社長ら4人を起訴 ライブドアなど2社も」(Sankei Web 060213)
http://www.sankei.co.jp/news/060213/sha030.htm
●ホリエモンがいよいよ起訴されることになりました。東京地検特捜部は、13日に証券取引法違反(風説の流布、偽計取引)の罪で、堀江貴文(たかふみ)容疑者以下4人と法人としてのライブドア以下2社を起訴したそうです。
●噂では、ホリエモンはほとんど供述調書に署名していないらしい。でも、宮内容疑者を初めとする部下たちは、けっこう喋っているという話を聞きます。ホリエモンにとっては困難な裁判になるのかな。
●では、証券取引法の本文に記述されている罰則で、いちばん長い懲役刑はつぎのどれでしょうか?
□ 5年以下
□ 10年以下
□ 15年以下
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)
●★●●●●●
正解:10年以下
説明:●いまさらですが、証券取引法の本文を調べてみました。これは、34万字以上もある長編小説みたいな情報のかたまりです。大きく3つの部分に分かれるらしい。
1. ディスクロージャー規制(会社が株式等を発行する際に、投資家に開示すべき情報等に関する約束事)
2. 証券会社規制
3. 不公正取引規制(市場における公正な価格形成等を妨げる不公正な取引を禁じるルール)
(参考:「証券取引法-野村證券」の記事
http://www.nomura.co.jp/terms/category/rule/securities_law.html による)
●証取法本文の中には、16カ所に「懲役」という言葉が記述されていました。おしまいのほうの「第8章 罰則」あたりに固まっています。その記述の中で最長の懲役刑は、「10年以下」というものです。
●ちなみに「禁固」はありません。罰金はあります。「5億円以下の罰金」なんて文字を見かけます。
●法律にうといので、なんとも言えませんが、今回のホリエモンの容疑では、「最長10年」の罰はなさそうです。「風説の流布」と「偽計取引」は、どちらも「最長5年」らしい。
●さまざまなブログやニュースで語られているのも「5年以下の懲役または罰金」説が多いようです。ちなみに法人としてのライブドアは、「罰金最大5億円」の可能性があるのかも。
●証券取引法違反の判例をいくつか眺めてみると、他の犯罪の場合に似て、初犯では執行猶予がつくのが相場のようです。ただ、ホリエモンの場合、「一罰百戒」にしたいという空気も感じられます。有罪/無罪を含め、どんな結果になるかはいまは予測が難しい…と近しい専門家は逃げていました。
●ホリエモンが対立姿勢を貫くとすれば、一審、二審で敗れた場合も控訴する可能性があります。彼の30代は、法廷闘争の日々となるかもしれません。裁判が終わるころには、スリムで健康的な胴体に法律知識の詰まった頭腦をのせているのかな。
◆参考:HP「証券取引法」
http://www.houko.com/00/01/S23/025.HTM#185
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この記事へのコメント
楽しいっすね。勉強になります。
是非リンクをしたいのですがよろしいでしょうか?
今後ともよろしくお願い致します
k-planning
TBを下さった方、ありがとうございます。
>k-planning様、URLを教えていただけませんでしょうか。
よろしくお願いいたします。
m(_ _)m
プログ、楽しいですね。フアンになりました。歴史が好きな老生です。これからも愛読させていただきます。
宜しくお願いいたします。
1年間の授業の前に、「古今東西、森羅万象、知らないことのほかは何でも知っている○○です」と挨拶する先生がいたそうです。お名前から、ふとそのことを思い出しました。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。 m(_ _)m
すみません、URLが別のブログと間違っていました。正しいURLを入れておきましたので、よろしくお願いいたします。